デコトラ・ギャル瀬菜
8/25レンタルリリース GPミュージアムソフト
先日の特集上映でようやく映画ファンにも届き始めたと思われる城定秀夫。そんな彼の代表作「デコトラ・ギャル」のシリーズ第三弾が登場! 二代目ギャルには原紗央莉。共演は栗林里莉、粟島瑞丸、那波隆史、森羅万象。城定作品の顔、吉岡睦雄もチョロっとだけ出演してます。前作「爆走! 夜露死苦編」の感想はこちら。
金さえ貰えりゃ何でも運び、男ともヤりたい時にヤる、気ままな女一匹デコトラ稼業を続ける瀬菜。ヤクザと娼婦だけの町でひと仕事終えた彼女に、チンピラの滝沢がもうひと仕事持ってくる。それは町で働く盲目のストリッパー、あずみを手術する病院まで運ぶ事だった。だがあずみの治療費も瀬菜への謝礼も、滝沢が組から持ち逃げした金で…。
見る前は、原紗央莉のルックスって陰性入ってるから、正直主役よりライバルキャラの方が似合うのでは…という先入観が。言ってみりゃ、前作までの吉沢明歩が菅原文太なのに対し、彼女はコンボイ野郎の黒沢年男じゃないかと。という事は、ひょっとして「ダンプ渡り鳥」みたいな事になっちゃうのではという懸念がありました。
実際、ヒロインは黒のレザージャケットに身を包んだワイルドな出で立ち。演技も艶技もちょっと苦手…と思ったら、物語を動かすのはチンピラと盲目のストリッパーの“純愛”カップルの方。そう、つまりは城定監督のお得意のパターンなワケで。そうなると原紗央莉のクールなルックスも、彼らにベッタリ寄り添うワケじゃない、絶妙の距離感をもたらして、俄然悪くない印象に。
カップルの恋の行方の描写は、城定作品の定石通りに、よく考えたら相当に陰惨な設定のはずなのに、何故かファンタジックでほのぼのとさせられるソレ。奇跡のような映画的ショットも見られたりして、今回も実に素晴らしい作品でした。余韻を残すラストも見事。映画ファンなら絶対必見の傑作です!
- 出版社/メーカー: GPミュージアム
- 発売日: 2010/08/20
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