CARGO カーゴ
原題も'Cargo'。これは珍しい、スイス製のSF映画です。そのためスタッフ、キャスト共に日本ではほぼ無名のヒトばかりですが、世界のSF系映画祭では絶賛されてるみたい。
2267年。環境破壊が極地に達した地球を捨て、人類は狭い宇宙ステーション暮らしを余儀なくされ、外宇宙の惑星への移住を始めていた。女医のラウラは、先に移住した姉一家を追うべく、渡航費用を稼ごうと外宇宙探査用の宇宙ステーションへの資材運搬船に乗り組む事に。出発から三年八ヶ月後。警備のため、ただ一人冷凍睡眠から目覚めたラウラは、誰もいないはずの船内に人の気配を感じて…。
薄暗く、水が滴り落ち、吐く息も白くなる寒々しい宇宙船内。モニターの文字は漢字*1混じり。ホントに二十三世紀? って感じの不恰好な宇宙服。そう、全体の雰囲気は「エイリアン」や「ブレードランナー」の影響を受けて大量に作られた二十世紀末の宇宙SF映画のソレ。お話の方も含めて、当時その手の映画を見捲ってた自分と同世代のヒトたちには、あれ? コレって何処かで…みたいなのが連続する既視感ビンビンの作りでした。
そんな感じで、どこを取っても目を引くような新しさは皆無。更にかなり淡々とした展開のため、正直途中では飽きそうになります。
でもこの作品、とにかくスタッフが本気かつマジメに作ったのが伝わってきて嫌いにはなれなかったです。ビジュアルの方も、ハリウッド大作級みたくCGバリバリの今っぽいヤツじゃないし、面白味にも欠けるんだけど、センス自体は悪くない、どころかむしろ個人的には好きな部類。宇宙ステーションの外見なんて、今時こんな無骨なデザインのを本気で作るなんて…と、ノスタルジー込みで嬉しくなりました。
というワケで、1980年代から90年代にかけて作られていたシリアスな宇宙SF映画の雰囲気を久しぶりに堪能したい方にはオススメの作品かと思います。
- 出版社/メーカー: アットエンタテインメント
- 発売日: 2010/06/02
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