トレジャー&ドラゴン 魔の竜神と失われた王国

原題は'The Lost Treasure of the Grand Canyon'。シャナン・ドハーティと「スターゲイトSG-1」「メガスネーク」のマイケル・シャンクス主演によるカナダ製の冒険アクションです。監督は「マックス・ヘッドルーム」のファラド・マン。

北米大陸に古代人の遺跡があるという学説を唱えるスミソニアン博物館のジョーダン博士。彼が率いる調査隊がグランドキャニオンの発掘に乗り出すが、当の博士が独自の調査に出発したまま、消息を絶ってしまった。それからひと月、愛娘のスーザンや博士の助手たちが捜索に乗り出すと、山の奥深くに何とアステカ文明を受け継ぐ謎の王国があって…。

まぁリアリティがあるかどうかはこの際置いといて、B級らしくやたらスケールのデカい設定。邦題になってるからネタバレしますが、何故かグランドキャニオンにいたアステカの民たちは崇拝する竜神様に生贄を捧げていて…というお話です。2008年の作品だから、おそらくは「アポカリプト」と「インディ・ジョーンズ」のイイトコ取りをしようとして作られた作品ではないかと。

それはともかく、冒頭部分から気になるのが、お話の時代設定が一体いつなのかの説明が全く無いという事(見逃してないと思うけどなぁ)。調査隊にパソコンやケータイみたいなハイテク機器が存在せず、移動手段も馬な事から、きっと西部開拓時代あたりだと察しはつきます。まぁ時代考証をちゃんとやるのがめんどくさかったんでしょう。でも、曲がりなりにも“世界史に新たな1ページが!?”みたいな話なんだから、その辺はちゃんとしとけよ、みたいな。

そこに代表されるように、それらしい素材は揃えてあるものの、それを見せる際の気配りが出来てないというか適当というか。おかげで、最初から最後まで盛り上がりに欠ける凡庸な出来になっちゃってる。

もう一つ気になったのが、こういう秘境アドベンチャーには必須なはずの半裸の原住民ギャルが一切登場しないという事! 裸になってるのはムサい男連中だけ! でもロケ地がカナダなせいか、心なしかみんな寒そう…。

仕方なく(?)お色気要員に抜擢されたシャナン・ドハーティは、ほぼ全編上半身は下着に毛が生えたような格好で、胸の谷間をチラチラさせてくれます。でもこれもねぇ。セクシーというより、もはや淫乱熟女にしか見えないのが哀しかったなぁ。

生贄の心臓を抉り出すような残酷シーンもありますが、基本的にはダラ〜っとした凡作でした。