MOTHER マザー
12/2レンタルリリース ニューセレクト
原題は'Saint Ange'(英題'House of Voices')。「マーターズ」で一躍注目の存在になったフランス人監督のパスカル・ロジェが、クリストフ・ガンズのプロデュースで撮ってた長編監督デビュー作です。主演はヴィルジニー・ルドワイヤン。共演はルー・ドワイヨンと、「ベルサイユのばら」「ビヨンド」のカトリオーナ・マッコールです。今回リリースされるのは米盤マスターのようで、クレジット等が英語表記になってました。
身重の体を隠してアルプス近くの孤児院に勤める事になったアンナ。ところが就いて早々、孤児院は閉鎖。子供たちは去り、施設にいるのは女院長と老女中、そして少々変わった少女ジュディス、それにアンナの四人だけに。しかし建物のあちらこちらで奇妙な気配に気づいて…。
伝わっていた情報通り、直接的な残酷描写はほとんど無く、物音や子供たちが残した奇妙な絵のような、いかにも思わせぶりなネタが散りばめられた朽ち掛けの屋敷の中で精神的に追い詰められてゆく心理スリラーといった内容でした。
というか、ここからあえてネタバレに近くなりますが、かつて屋敷で子供たちが大量に死んだ事や、ヒロインが妊娠した理由みたいな、ストーリの軸になりそうな事まで、それらしいヒントを絵やセリフで見せはするものの、具体的に語る事が最後まで一切無いのはどうなのかなぁ?
もちろん最後は真相に迫る! 風な展開になるものの、それをやるのが精神的なバランスが壊れた妊婦とイッちゃったヒトなので、これが事実なのか、それとも彼女たちが見た妄想なのかは判らず終い。
全篇を覆う緊張感と的確な構図から、ロジェの演出力が確かなのはすぐ判るし、匂わすセリフもあるから、敢えて観客の想像に任せようと具体的なオチを作らなかったんでしょう。もちろん全てを映画の中で語っちゃうのも下品だとは思います。でもここまで全てが寸止め状態では、監督のオナニー映画と言われても仕方が無いんじゃないかな。フランス本国でもコケたのは納得出来る感じです。基本的には「マーターズ」でロジェに興味を持ったヒト向けの作品じゃないでしょうか。
判りやすい見どころとしては、ルドワイヤンの美しさというのがあります。本当に妊娠してたのか、それとも特殊メイクなのかは判りませんが、妊婦ヌードも綺麗でした。
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