プライベート・エネミーズ

プライベート・エネミーズ [DVD]

プライベート・エネミーズ [DVD]

パブリック・エネミーズ」の十二月公開に合わせて便乗商品が登場! 原題は'Hell to Pay'。英国製のクライムアクションです。スタッフ、キャスト共に聞いた事もないヒトたち。

弟ラリーの頼みで、かねてから嫌っていた麻薬組織のマーフィ一味を自ら皆殺しにしたギャングのボス、デイブ。裁判で無理矢理無罪を勝ち取り出所したデイブだったが、それはラリーの狙いと外れていて…。

予告編を見て、低予算ながら大人っぽいギャング映画なのかと思ってたら、アクションシーンよりも無意味なダベリの方が多い、ガイ・リッチー映画のパチモンみたいな作品でした。

しかもというか、当たり前というか。本作の監督には金も無ければセンスも無かった…。事件のあらましやキャラの説明をしなければいけないはずの冒頭部分で、出来もしない細切れな編集をやってるもんだから、いきなり何がナンやら判らない状態に。

しばらくしたらテリー・サバラス劣化コピーみたいなスキンヘッドのオッサンが主役のデイブだと判り、ようやく話が見えてきたと思ったら、中盤以降も群像劇のつもりなのか、主役に関係無いどうでもいいシーンをメリハリ無くダラダラ続ける構成に。

映像的に見るべきところは無いし、交わす会話にはテンポも面白味も皆無。クライマックスは一応銃撃戦になったりもするけど、ここも躍動感の欠片すら無し。

そうそう、OPクレジットはグラインドハウス感覚を盛り込もうとしたのか、傷だらけのフィルム風の加工がしてあるんですけど、これもセンスが無いせいでヘタクソな雨のCGを入れ込んだようにしか見えない。

そんな感じの完全な駄作。ダラダラした会話とバイオレンス描写に一見合ってないような音楽を流せば、面白い映画が作れると勘違いさせたタランティーノの罪は重いなぁと思いました。