A.I.ジョー

A.I.ジョー [DVD]

A.I.ジョー [DVD]

原題は'Maximum Surge'(別題'Game Over')。「G.I.ジョー」に便乗する気満々なジャケですが、中身は2003年製作のSFスリラーです。ヤスミン・ブリーズ、ヴィンセント・スキャヴェリ、ウォルター・コーニッグが出演。監督は「フライト・デスティネーション」のジェイソン・ボルク。脚本はそのボルクと共に「アート・オブ・ウォー2」の脚本を担当したキース・ショウ。

これまでにない演算能力を誇る新型コンピュータ、ドレクセルが始動。その存在が気に食わないスーパーハッカーにしてゲームプログラマーのスティーヴが悪さをしようとコンピュータルームに忍び込むが、逆にドレクセルに囚われてしまう。テスト試用中にスティーヴが作ったゲーム“マキシマム・サージ”にハマっていたドレクセルは、乗っ取った軍事プログラムで世界破壊を企み、それを盾にスティーヴをゲームに強制参加させる。ゲームの世界でスティーヴを待っていたのは、彼愛用のAI女性キャラ“ジョー”だった。

うわぁ、ホントに“A.I.ジョー”って内容でした。便乗なんて書いてすまんかったです。

というか、それ以前に相当にヒドい出来でした。とにかく出てくるモノ全てのセンスが悪い。特にヒドいのがコンピュータ周りの描写。無機質でガラーンとしたコンピュータルームに代表されるように、2003年製作(クレジットを見ると2001年製作かも)にしたってダサダサでしょう。主役のはずのスーパーコンピュータなんてブリキのドラム缶みたいだし。ギークの描写もダサくて、とても「マトリックス」以後の作品とは思えません。

ゲーム世界の方も同様。ここも実写による映像で、現実世界のシーンと大して変わらない見せ方だから全然メリハリが無い。更に、FPS風かと思えばゾンビゲームや格闘ゲームスポーツゲーム*1に突然変わったり。これもステージが変わった風にすればいいのに、切り替え方が適当だから混乱させるだけ。そんな感じの後半は、ホントに何やってんのかさっぱり判んなかったです。

別にアイディアは斬新じゃなくても、それなりにちゃんと作ればB級映画として楽しめる作品になったと思うんだけどなぁ。こんなヤツらが脚本を書いた「アート・オブ・ウォー2」が心配になってしまいました。

さて、既発の「G.I.ウォー」、そして本作と、「G.I.ジョー」便乗作品が続々リリースされますが、その本命はアルバトロス系列のネクシードからリリースされる、その名も「G.I.フォース」!!

G.I.フォース [DVD]
12/2リリース ネクシード

実はこれ、我らがウーヴェ・ボルが性懲りもなく人気ゲームを映画化した'Far Cry'なんですね。主演も未公開作品好きにはおなじみのティル・シュヴァイガーにエマニュエル・ヴォージア。ボル作品の常連であるマイケル・パレウド・キアーも出てるゾ! 色んな意味で楽しみだなぁ。

G.I.ジョー [DVD]

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*1:『マッデン』にみたいなアメフトゲームにマイク・ディトカ、ボクシングゲームのリングアナにマイケル・バッファーを登場させたりと無駄に豪華。