レッド・ウォリアー


5/1レンタルリリース クロックワークス

原題は'Nomad'。セルゲイ・ボドロフが「モンゴル」の前に撮っていた、同じモンゴルの大平原を舞台に描かれる歴史スペクタクルです。「生き残るヤツ」のアイヴァン・パッサーが共同監督。製作国はフランスとカザフスタンですが、セリフは全編英語。しかも主演は「GOAL!」のクノ・ベッカーで、共演もジェイ・フェルナンデス、ジェイソン・スコット・リー、マーク・ダカスコスという、多国籍と言うより無国籍映画といった趣き。

18世紀の中央アジア。遊牧の民カザフ族はモンゴルから襲来するジュンガル族の大軍に苦しめられていた。そんな中、賢者オラズは危機が訪れた時に民族を束ねる英雄が現れるという伝説を信じ、その誕生を待ちわびていた。そして産まれた王の息子アブライは、ジュンガルの手から逃れる為にマンスールと名を変え、オラズの下で戦士として成長していって…。

「レッド・クリフ」に便乗した邦題が付けられてますが、総勢三百人のカザフ軍が城砦に立て籠もり、その数一万のジュンガル軍を迎え撃つという意外にも似た展開。ぶっちゃけ迫力ある合戦シーンは終盤ちょろっとあるだけですけどね。

で、何と言ってもモノホンのカザフスタン大自然が素晴らしい。そしてモンゴル系独特のイイ顔したオヤジたちが大挙登場するのも大きな魅力。

でもそれを束ねるのが、メキシコ人のクノ・ベッカーというのは無理がある。異質なルックス=稀人という意図があるなら判るんですが、その親友を演じるのも同じメキシコ人のジェイ・フェルナンデスなんだもんなぁ。基本的に真面目な作りでそれなりに魅せる作品だとは思いますが、この意味不明なキャスティングのせいでどうにも最後までノレなかったです。

それに、親友や師匠、初恋相手の少女と、少年マンガ的に燃えられそうな人物配置はされてるし、それっぽい事件も頻繁に起こる割りに演出が淡白なのもよく判らない。エンタメに徹して燃える展開にした方が、庶民的なルックスのベッカーに合ってると思うんですが。

燃える展開と言えば、途中両軍を代表して一騎打ちの決闘が! という場面が。当然ここはジェイソン・スコット・リーとダカスコス(ドラゴンvsフリーマン!!)の対決を期待してたら、違っててガックリしました。

生き残るヤツ [DVD]

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成りさがり ダイアモンド☆ユカイ激論集

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※"RED WARRIOR"繋がり