ザ・セル2

ザ・セル2 特別版 [DVD]

原題も'The Cell 2'。そう、あの超映像派サイコスリラー「ザ・セル」の正統続編が登場! でもスタッフ・キャスト共に総入れ替えって…。主演は「クイーン・オブ・ソード」シリーズで主役を張ったテシー・サンチャゴ。共演は「ブレイブ・レジェンド」のクリス・ブルーノ、そしてフランク・ホエーリー。監督は「24」の製作や演出をやってるヒト。脚本で「デスリング」のアレックス・バーダーが参加してます。ちなみに米本国でのリリースは今年六月らしく、どこを探しても予告編は見つかりませんでした。

誘拐した若い女性を仮死状態にしては蘇生を繰り返した末に殺してしまう連続猟奇殺人事件が発生! この事件の最初の被害者にして唯一の生存者であり、仮死状態を経験した結果、遺留物を媒体にして他人の深層心理に入り込む超能力を得たマヤもFBIの捜査に参加するが、あと一歩の所で取り逃がしてしまう。それから一年後、犯行が再開されたとの報を受けて現地に駆けつけたマヤだったが、犯人はまるで彼女を誘うかの様に遺留物を残していて…。

前作との繋がりは冒頭で“FBIの捜査に特殊な力を持った民間人に協力して貰う事がある…”とジェニロペの事が語られるだけ。そして、ラテン美女が猟奇誘拐殺人犯の深層心理にダイブするのが共通点なワケですが、超能力でそれが出来るのなら、前回あんなヘンテコスーツを着てまで頑張ったジェニロペやヴィンス・ヴォーンの立場は…。

内容の方はと言えば、前作からターセムのビジュアルイメージと石岡瑛子の衣装デザイン、そしてハワード・ショアの音楽を引いたらどうなるか? というのを考えれば容易に想像出来る通りの代物。つまりは、かなりトンデモで凡庸なSFミステリーって事です。深層心理パートの映像を一応は頑張って作ってみた風ではありますが、元々のセンスの差は如何ともしがたい。

そんな映像の落差を埋めようとしたのか、今回は犯人探しも一つの見どころになってるんですが、これがもう最初からヒントの出し過ぎで完全にバレバレ状態。逆にこれはどんでん返しのパターンと思ったくらいなのに、あっさりそのまんまの真犯人でズコーッ。

というワケで、いかにもVシネマ級な完全なる凡作。でもオッパイは出るし、「ザ・セル」の続編ではなく「JIGSAW」シリーズの一本として作られていたら、そこそこ面白いじゃん! という印象になったかも知れませんけど。

ザ・セル [DVD]