バトル・ライン

原題は'Linewatch'。国境の町を舞台にした、キューバ・グッディングJr.主演のクライムアクションです。「ドリームガールズ」のシャロン・リールが妻役で共演。監督は「ワイルド・タウン 英雄伝説」のケビン・ブレイ。

国境警備隊員として仲間の信頼を得ながら多くを語りたがらない男、マイク。ある日パトロール中に立ち寄った一軒家で銃撃戦が発生。相棒を撃たれたマイクは必至に応戦するが、相手側に見知った顔を見つけ、彼だけを取り逃がしてしまう。実はマイクには、ロサンゼルスでギャング団のメンバーだったという過去があったのだった。平穏な家庭を築く為に姿を消したマイクを見つけたかつての仲間たちは、これ幸いとマイクにメキシコとの密輸の手助けを強要。妻や幼い娘の命を守る為、マイクはこれを受け入れてしまい…。

砂と埃まみれの荒野を舞台にした、現代版西部劇と言える内容の作品でした。ユニークなのは、こういう舞台設定なのに、白人やヒスパニック系は脇に置かれ、メインはグッディングJr.以下、あくまでも黒人という点。

更に面白かったのは、主人公の前に現れるギャングたちが中々に個性豊かな事。主人公のかつてのライバル、キレやすい基地外、物知りデブ、そしてボスの忘れ形見の少年という面々で、彼らとのやり取りが見ていて楽しい分、主人公がついつい昔のワルかった自分に戻りそうになっても、見ているこっちも納得出来るんですよね。

そして全体を通して見ると、主人公を“おじさん、おじさん”と慕う少年の成長譚にもなってる。この辺はホントに西部劇っぽくて悪くなかった。

まぁそんな馴れ合いムードのせいで、極度の緊張感とか話のスケールみたいなのは欠けてるかな。それでも最近のグッディング主演作の中では上々の部類に入る一作だと思います。