稲穂の無頼哀しき相克 - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

遠藤憲一主演の任侠ドラマです。共演は伊吹剛、松田優、倉見誠らのいつもの面々に加えて、村野武範、そして小野寺昭が参戦!! ついでに岸田健作(元いいとも青年隊)まで出演してます。

蒼龍組上州吉村一家の幹部・国仲忠士。丹波総長の下で修行を積み、今では“国定忠治の再来”とまで呼ばれる人物に成長していた。莫大なシノギを稼ぎ、吉村一家どころか組全体の財政をも賄う忠士の能力を組の幹部たちも褒め称えるが、総長の息子・武士には面白くなかった。そしてある事件が勃発し…。

遠藤憲一が飄々と演じてるから何とか主人公に見えますが、機を見るに敏、副業で荒稼ぎする忠士って、普通のヤクザ映画なら明らかに敵側のキャラクター。そりゃ親分を慕い、子分たちにも優しさを見せてはいますけど、稼ぎが良い分それなりにヒドい事もしていて…。

主人公がそんなキャラなので、引き立て役の倉見誠は白いスーツに辰兄ぃばりのリーゼント、暴力に訴える事しか出来ない典型的なボンボンという、今時珍しいくらいの天然記念物級のキャラ造型に。そして“ヤクザはみかじめ料と盆で稼ぐのが正道”という叫びは、明らかに主役が語るべきもの。

そんな感じで、メインの二人の設定がおかしいから、見ていて妙に気持ち悪い作品でした。それに二人の“親”である伊吹剛演じる親分も、偉そうな説教をするのが相応しくない目の曇り方なのもどうなのかなぁ。

話の〆方もかなり微妙。二月に完結編が出るんで、それで面白くなるのかどうか…。