実録・広島やくざ戦争外伝 義兄弟 山口英弘の半生 怒涛の章

祝! サンフレッチェ広島J1昇格決定!! という事で、広島抗争の数少ない生き残りの一人、山口英弘氏をモデルにしたヤクザVシネマを紹介します。「仁義なき戦い」でいう所の早川英男(室田日出男)に当たる人物です。主演は遠藤憲一! 監督は金澤克次。

昭和二十年。米兵からの横流し品で稼ぐ、愚連隊の様な日々を過ごしていた山口英弘に、かねてから兄貴分として慕っていた打越徳生から“一緒にヤクザになろう”という誘いがかかる。一度は断わった英弘。やがて刑務所に収監された英弘は、そこで生涯の兄弟分となる森田侠市と出逢ったのだった。そして出所した英弘を待っていたのは、広島を仕切る岡寅一家の稼ぎ頭として頭角を現していた打越だった。副業のタクシー屋で莫大な資金を得た打越組の若頭として迎えられた英弘だったが…。

脚本が「首領の野望」の室田憲昭だったので心配したんですが、さすがに時代が時代、モデルがモデルだけあって結構楽しめました。

仁義なき戦い」を見ている方ならご承知でしょうが、主人公の親分のモデルになった打越信夫(「仁義」だと打本昇)って、あのコワモテ連中の中では一際異彩を放つ金の亡者的人物。その下で働く事を考えたら…ねぇ? そんな中間管理職の悲哀が出ていて、楽しいというか何というか。

主演の遠藤憲一はともかく、打越役の木村栄は健闘してると思います(そりゃあ加藤武を比べるのは可哀想というモノでしょう)。他は、“山本健一”役の小沢和義、“安原政雄”役の伊藤高はクールでいいとして、“美能幸三”役の倉田てつを広島弁がまるで板についてない(と言うか、この手のジャンルに向いてない?)し、“山村辰雄”役の清水宏、“地道行雄”役の鈴木一功は相当微妙だったなぁ。

今回は我慢に我慢を重ねた主人公が打越組から絶縁されるまで。次の完結編で第二次広島抗争に突入って感じでしょうから、一応楽しみにしてます。