ワイルド・パーティー

 V☆パラダイスの“ラス・メイヤーフェスティバル”の〆として、最高傑作の誉れ高い本作を久々に視聴してみました。

キレの良いカット割り、クールな構図、音楽との親和性の高さ、女体の美しさへのこだわり。他の作品を見た事で、本作の魅力であるこれらが努力して培ったモノではなくて、メイヤーが天性として授かったセンスから生まれたのだと判ったのが最大の収穫。そして、これ単体で見ればとってつけた様にしか見えない原題に通じるラストも、ロケ場所が他の作品でいやというほど見た河原と重なって、メジャーに出向いたメイヤーが自分の本来のフィールドであるインディペンデントに帰ろう! と宣言している様に見えて妙に感動してしまいました。

ほぼ全作を通して見た事で、メイヤーが全く物語る事に興味が無いのも判明。という事は、もし彼があと四十年くらい遅く生まれていれば、その特異な映像センスでMTV世代の旗手としてもてはやされていたのでは? という妄想も。まぁただの巨乳好きAV監督になって、オーバードーズでさっさと死んじゃってたかも知れないけど。