バイオ・スピーシーズ
原題は'Black Swarm'。本家の最新作がリリースされると思ったら、いきなりパチモンまで登場! と言うか、同じ邦題のパチモン映画がすでにあった気も…。とりあえず本作にはロバート・イングランドが出演してます。製作はRHIエンタテインメント(本当に作ったのはカナダの下請け)。
幼い娘ケルシーを連れ、十年ぶりに故郷の田舎町へ帰ってきたジェーン。しかし到着してすぐに街の人々の様子がおかしい事に気づくケルシー。一夜明け、ジェーンが保安官代理に着任して早々、ホームレスがスズメバチの大群に襲われ、死亡する事件が発生する。ところが安置室に運ばれた死体がいきなり甦り、検死官に襲いかかった! 一体この街では何が起こっているのか?!
原題を見て薄々勘づかれた方もいるでしょうが、これ、エイリアンと美女が融合するみたいな「スピーシーズ」パターンの作品じゃなくて、遺伝子操作されたハイブリッド蜂が人間を襲うアニマルパニックスリラーなのでした。しかしながら、蜂に襲われ、卵を産みつけられた人間はゾンビ化するというオモシロ設定なので、こりゃ意外と面白いかも? と思ったら…。
何故か本作の監督は、そういうB級映画好きの心をくすぐる設定が準備されているのにも関らず、ヒロインの過去絡みのセンチメンタルな部分を重視。お陰でヒロインは事件をほっぽり出して引越しの荷物をほどきに帰っちゃうし、もう一人の主人公の害虫駆除業者(兼ヒロインの死んだ亭主の弟 兼ヒロインの元恋人)が一応蜂の正体を探るものの、過去の傷に触れたくないばかりにヒロインと連絡を取ろうとしない! そんな感じなので、見てる方は話の成り行きが見えてるのに登場人物がちゃんと動いてくれないからイライラするパターンに陥ってしまいます。
そうこうしてる間に賢い幼女(ちょっと可愛い)が真相に迫ってしまう始末。まぁこれは、彼女がいかにも怪しいロバート・イングランドにつきまとわれてるからなんですけどね。でも終盤は実際に彼女とイングランドが主役みたいな展開になって、ちょっとだけ「スピーシーズ」っぽく*1もなって面白かったかな。
作品全体は丁寧な作りだと思うんですが、ゾンビ化した人間の扱いも余り上手くいってなかったり、このジャンルから想定される視聴者の好みと製作者の方向性が噛み合ってないのが残念な作品でした。
※本作と同じ、蜂襲来パニックスリラー「ファイナルストーム」の感想はこちら
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*1:ヒント:幼女が粘液まみれに!