ゾンビリアン

ゾンビリアン [DVD]

ゾンビリアン [DVD]

原題は'Days of Darkness'。邦題を見れば一目瞭然、みんなが大好きなゾンビとエイリアンが夢の合体を果たした究極スリラーの誕生! でも監督もキャストも無名揃い…。

地球に巨大隕石が落下! それを機に、街はゾンビ化した者で溢れ、人間を襲っては人肉を貪り喰い始めた! ヤツらに襲われたスティーブとミミのカップルは軍施設に逃げ込んだのだが、そこにいた先客たちはひと癖ある者ばかり。そしてスティーブがゾンビに噛まれているのを知った男がいきなり銃を向けて…。

前半の展開は本当によくあるC級ゾンビ映画のパターン通り。主人公たちが逃げ込んだ所も、緊張感があると言えば聞こえは良いですが、実際はダメなヤツらばかり*1なせいでギスギスした雰囲気になって、見るのが億劫になるイヤぁな感じ。肝心のゾンビも、メイクすらほとんど施されてない、ただ目をひん剥いてトボトボ歩くだけという低予算ぶり。

ところがゾンビ化の原因が最近多いゾンビウィルスパターンかと思ったら、実はエイリアンの寄生系と判ってからはちょっとだけ面白くなります。何と人体に寄生したエイリアンは男性の睾丸に卵を産みつけ、子孫を増やそうとしていた! そして孵化した後はチンポごとボロッと落ちてしまう! 何という恐怖!!

要するに「遊星からの物体X」のパクリではありますが、それまでの低調さに比べれば全然マシな展開に。ところが、せっかくの美味しい流れをこの監督は全く活かせてない!

睾丸が狙いなら女性には寄生しないという設定にするのが普通だろうに、そんな事全く無し。逆に、寄生された美少女(一応)が卵を産みつけようと男性を襲うシーンがあって、触手をペニスっぽく見せて文字通りの逆レイプ状態という面白い絵を撮ってたり。これ、寄生されるのが男女どちらかだけという設定にすれば結構面白い話になったと思います。でもそんな当然の判断も出来ないんだから、余程センスの無い監督なんでしょう。

他にも、寄生された人体を解剖するシーンやエイリアンのトランスフォーム等、見せ場になりそうなシーンを何故か直接見せずにセリフだけで説明したり、低予算だけでは済まされない酷い場面も多々。

全体的に見れば駄作で間違いないんだけど、改善の余地が見えるだけに勿体無く思える作品でした。

*1:実はここにゾンビリアン撃退のヒントが! マジで!!