レッド・アンド・ブラック@MATVムービーアジア

 原題は‘鬼幹部’(英題'Red and Black')。レオン・カーファイ、ラム・チェンイン、ジョイ・ウォン主演のホラー映画。1991年製作の作品の様ですが、この頃のジョイ・ウォン出演作で日本に入って来てないのがあったとは意外。何でもかんでも「チャイニーズ・ゴースト××」とか「ジョイ・ウォンの××伝説」みたいな邦題をつけてビデオ化してると思ってたんだけど。
古代より中国では血悪魔という悪霊が時の権力者に憑き、民衆に凶行を及ぼしていた。戦時中、日本兵に憑いて暴れていた血悪魔を土地の道士が自らの体を犠牲にして封印する。一人息子を弟夫婦に託して…。
当然この子供がカーファイに成長…と思ったら、やはり道士になるのはラム・チェンインの役回り。カーファイは弟夫婦の実子なんだけど、両親がチェンインばかり贔屓してると勘違いしてるバカ息子。そして文化大革命の嵐が吹き始めた時、何と迷信に囚われていると実の親を密告する始末。お陰で父親は死亡、母親は基地外に! これで血悪魔を退治する方法を知る者はいなくなり、一体どうなる? みたいな展開です。
この後は共産党の指導で山を掘り返したせいで血悪魔の封印が解け、ジョイ・ウォンの父親である主任に憑いて民衆への弾圧を開始!
とにかく異常なくらいシリアスな雰囲気。流血シーンも多いけど、モンスターのせいではなくて、文革という名の蛮行によるもの。タイトルで血の赤と共産主義の赤をかけた、ストレート過ぎるメッセージ性。その割りに、物語の鍵になりそうだったカーファイが何時の間にやら正義に目覚めさせてる適当さ加減。ヘンな映画と言えばそれまでだけど、今の中国・チベット情勢を考えると、結構興味深く見られる作品でした。
カーファイ、チェンイン、ジョイ・ウォンの三角関係というのも見どころですが、見た目を考えれば結果はハナから明白。そしてそれが悲劇的結末へ…。やっぱ人間、顔が一番なんだなぁ…。