ステルスX

ステルスX [DVD]
4/4リリース ネクシード

久々に“X”モノが登場! 原題は'07 меняет курс'(多分)。ロシア製の空中アクションサスペンスです。

ロシア空軍が極秘裏に開発した通称“ゴルゴン・システム”。それは編隊全ての機体をステルス化する驚くべきシステムだった! 大胆にも米露共同の軍事演習で実地テストを行う事になり、システムを搭載したTu-160が空軍基地を離陸する。そしてシステムが作動し、編隊がレーダーから消えた瞬間、この新技術の奪取を目論むイスラム系の闇の武器商人が仕掛けた遠隔操作の装置も作動! 何処へ向かうとも判らず、飛び続けるTu-160。パイロットたちが必死に遠隔装置の除去に取り組む中、情報漏えいを恐れた軍上層部は実験機の撃墜を決断していた…。

最近、徐々に増えてきたロシア製の娯楽アクション。「ミラーウォーズ」同様に、ロシア空軍の全面協力を得てモノホンの軍用機が飛び捲くる! 飛行シーンはときたまショボいCGになったりはしますが、コックピットや指令室等の本物だけがかもし出す迫力は、軍オタじゃなくても十分見応えあり。

その一方で、ストーリーや設定は練り込み不足でリアリティに欠ける内容。これはこの手のジャンルでは致命的な感じ。まぁ、このアンバランスさ加減が今のロシアらしくて面白い点とも言えます。

アンバランスと言えば、主人公のパイロットを演じるのが、どこのベテラン総合格闘家? って感じのコワモテなルックスなのに対して、その恋人にしてシステムの開発責任者という設定のヒロインが隣のお姉さん風の親しみ易いカワイコちゃんなのも不思議だったなぁ。確かに歴戦の勇士という感じは十二分に出てますが、あれはどう見てもヒール顔だろう。ロシアだとあれが主役の顔なのでしょうか?

まぁ、そんなアンバランスさもB級映画だと思えば許せる範囲。しかし、これは「極限水域」を紹介した時にも指摘しましたが、ロシア語以外のセリフ全てに同時通訳風のボイスオーバーが入るのは如何なものか。しかも本作は作品の性格上、武器商人グループや米軍軍人等のシーンが多く、このボイスオーバーの頻度がやたら多くて見難い事この上無かった。おそらく国際市場を意識して作られた作品なんだろうけど、今後の事を思えば、このロシア映画独特の手法を改めるなり、録音する前のマスターを作るなりすべきじゃないのかな。日本のメーカーも買い付ける際に注意すべきだと思います。

ステルスX [DVD]

ステルスX [DVD]