バイオ・クライシス 人類最後の敵

原題は'La Hora fría'。スペイン製の近未来“ゾンビ”ホラーです。

最終戦争後の世界。わずかに生き残った人々は地下施設の中に隠れる様に暮らしていた。外の世界には恐ろしい怪物が、そして夜になると寒気と共にやって来る怪物インビジブルが出現。そんな絶望的な状況の中でも元気に育つ唯一の少年ジーザス。やがて食料や医薬品が底を着きかけ、大人たちは防御扉を開けて貯蔵庫に向かうが…。

扉の向こうにいたのは、お約束通りにウイルスの影響でゾンビ化した人間たちの群れ! って、せっかくちゃんと“ゾンビ”が出るんだから、メーカーはこれこそ“バイオハザード”の冠を邦題につければ良かったのに…。

とも思ったんですが、実は地下施設内での密室劇の出来が意外にも良くて、これならゾンビやモンスターをはっきり見せなくても良かったんじゃないかなぁって気もしました。外の世界に出るタブーを犯させない為に大人たちが子供についた嘘なのでは? みたいなパターンで。まぁ初めにゾンビありきな企画なのかも知れないけど。

大人扱いして欲しい八歳の少年。大人になりかけている少女。彼らが爺様が仕切る映写室で見る古き良き漫画映画や戦争の様子を伝えるニュース映像。閉鎖空間の中で次第に狂っていく大人たち。ホント、ドラマ部分は中々しっかりしてます。

オチも薄々勘付ける範囲だけど悪くない。と言うか、パッケージの裏面で思いっ切りネタバレしてるじゃないか! レンタルされる際は、余りその辺はマジマジと見ない様にして下さい。