殺し屋人別帳@東映チャンネル - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

渡瀬恒彦のデビュー作にして初主演作、の筈なんですが、石井輝男作品でお馴染みの個性的な面々が長崎の覇権を巡って抗争を繰り広げるヤクザ映画。

吉田輝雄-中谷一郎-荒木一郎の良いモン側は一応正統派仁侠映画風なんですが、田崎潤率いる悪の黒岩組の方は石井輝男ワールド全開で、明らかに描写のテイストが変! 特にフランス帰りの殺し屋、モンマルトルの鉄役の佐藤允はキザを通り越した大怪演!

他にも渡瀬恒彦や佐藤允等が並んでの連れション勝負、中谷一郎が堅気になったのを証明する為に背中の刺青をライターの火で炙って消すシーン、由利徹にオナラと、石井輝男作品ならではの素晴らしく下品な演出が連続! 冒頭の田崎潤と小池朝雄の殺し屋コンビがオカメのお面を被って仕事をするシーンも変と言えば変だよなぁ。クライマックスの抗争は大スプラッタ大会!

女優陣では、黒岩の娘役の小川ローザの今時のカワイコちゃんぶりに驚嘆。賀川雪絵も出てるのに、誰一人として脱がないのにも驚いたけど。これは前年までの異常性愛路線で飽きてたのかな?

そして鬼寅の名前だけでチンピラどもをビビらせるアラカンさんも楽しい。

それに比べて主役の筈の渡瀬恒彦と佐藤允が、黒岩組で草鞋を脱いでるのに最後の最後までニヤついてるだけで何にもしないのも凄い。唯一の見せ場である最後の決闘シーンもかなり変でした。

とまぁ、石井輝男ファンなら楽しめる事請け合いの、軽く見られるB級怪作でした。

ところで、いよいよ「江戸川乱歩全集恐怖奇形人間」の米盤DVDの発売が迫って参りました。自分はもう予約したもんね! 八月が待ち切れない!!