サイレンサー

サイレンサー [DVD]

サイレンサー [DVD]

原題は'Shadowboxer'。町山智浩氏が映画秘宝ポッドキャストで紹介していた、オスカー女優になりたてホヤホヤのヘレン・ミレンと、こちらもオスカー俳優のキューバ・グッディングJr.が殺し屋親子に扮したクライムドラマです。

ガンに冒され、余命幾許も無い女殺し屋ローズ(ミレン)に舞い込んできた最後の仕事。それは浮気をしたと思われる妻ヴィッキー(ヴァネッサ・フェルリト)を殺せという、犯罪組織のボス(スティーヴン・ドーフ)からの依頼だった。仕事のパートナーにして義理の息子のマイキー(グッディングJr.)を伴って屋敷に乗り込むローズ。用心棒たちを手早く殺していくが、そのショックで妊娠中のヴィッキーは破水してしまう。それを見たローズは、マイキーが止めるのも聞かずに出産を手伝い、赤ん坊を取り上げてしまう。ボスには殺したと報告し、ヴィッキーと赤ん坊を匿う事にしたローズ。マイキーを含めた四人で隠れ家に移り住み、まるで本物の家族の様に平和なひと時を過ごすローズだったが…?!

この後は、当然妻と子を探すボスとの対決! となる訳ですが、そこに到るまでの展開が結構意外。それも含めて中々しっかりしたドラマ、なんだけど…。

町山大将も語ってますが、メインのストーリーはともかく、それを彩る様々な部分が全て狂ってるんですよ、この映画! ヘレン・ミレンとグッディングJr.が殺し屋の師弟関係という設定は判る。訳あって義理の親子関係に、というのも判る。歳の離れたカップルというのも判る。そう、一つずつ描いたのなら別に変じゃないんだけど、それが一まとめになってるからどうにもおかしくなってるんだよなぁ。しかも二人のラブシーンが何度も登場するし。流石にミレンは脱いでないけど、代わりにグッディングJr.はヌードになってます(w。それもかなりしっかりお尻を写してる(ww。この辺で監督がゲイである事が察せられて、これ以降の変なテイストも妙に納得させられました。

だって、この映画に出てくるセックス絡みのシーンが全て変なんだもの。例えば、ミレンたちを助ける闇医者が絶好調時の窪塚洋介似のイケメン*1なんですが、その恋人役が太っちょ黒人コメディエンヌのモニーク! これも、これだけなら別に変じゃないけれど、ゼンブゼンブこんな感じだから段々とおかしな気分に。

決定的なのが、終盤に出てくるヴァネッサ・フェルリトのヌード。これがちっともエロく描いてない! 寧ろ破水シーンの方がまるで失禁してるみたいで、彼女のヘビーなファンには堪らないかもね(w。