人造昆虫カブトボーグVxV#8

 暗雲垂れ込める病院に担ぎ込まれたのは勝治! 早速駆け付けるリュウセイとケンだったが、病院の廊下を爆走するバイクに遭遇!? 正体は勝治の祖父(声/郷田ほずみ)だった! 若い頃(12歳!)から旅を続けていた爺ちゃんも勝治が元気になるまではこの街に留まる事を約束したと思ったら、あっさり退院(w。がっかりする勝治(好きな理由はお小遣いを一杯くれるから!?)。それに対してリュウセイは爺ちゃんのお年玉は五百円、ケンに至ってはバースデープレゼントは菜箸だと嘆く(ケン、悲し過ぎる…)。気を取り直してケンの家の中華料理屋で快気祝いと洒落込む三人だったが、何と店には爺ちゃんが! リンリンちゃん相手に旅自慢、北京で食べたローモーシャオピンに拘る爺さん(w。でも結局注文したのはラーメンと半ライス(ww。お腹も一杯になったら旅自慢再開。30代の頃パイロットを少し。‘へぇー’10代の頃にはレーサー。‘へぇー’一々感心するリュウセイとケン。他にもサッカーに野球、カウボーイ、闘牛士、ダイバー、ファイナンシャルアドバイザー、マーケティングプランナーまで! そしてロイドさんの店に到着! 初めて見るボーグバトルに興味津々の爺ちゃん。見本品を借りてリュウセイに挑戦するも秒殺! ‘何か話は凄かったからちょっとはやると思ってさぁ(w’ リュウセイの極悪煽りにカチンと来た爺ちゃんは‘所詮、借りたマシンでのバトルだ。マイマシンとは違うのだよ、マイマシンとは! 君ぃ! あのウインドウの中のボーグを全部頂いていくぅッ!’‘うわぁ〜! 初めて見た、伝説の大人買いッ!’ そして明日の再戦を申し込んだ! ‘気をつけろリュウセイ、相手は大人買いした大人だぞ!’‘俺たちは言わば、生まれた時からボーグを手にしてこれまでバトルを戦い抜いて来たんだ! どんな相手だろうと昨日今日始めたばかりの相手に負ける訳にはいかないッ!’‘実質的にはァ、今日明日でェす…’ 勝治をコーチに夜通し特訓する爺ちゃん。翌日、ロイドさんの店に向かうリュウセイは、柳の下にいた上品な老婦人から爺ちゃんに負けるよう頼まれる。‘あんた、誰だよ?!’‘わたくし勝治の祖母です、負けて下さぁい…’ そう言い残すと婆ちゃんはフッと消えてしまった! ‘幽霊、だったのかなぁ…’ 思わずへたり込むリュウセイ(w。バトルを前にルールは初心者の爺ちゃんが決める事に。参謀役の勝治が選んだのはチャージ3回、フリーエントリー、フリーオプションバトルだった! ありとあらゆるオプションが装着された爺ちゃんのボーグ、その名もカムヒヤ・グランドファーザー! しかしリュウセイはいつものままの状態で戦いに臨む事に。‘これが俺のやり方だぁ!’‘それは違うな、リュウセイ君。君にはそれしかないのだよ。何故なら、君がそれだけの人生しか重ねていないからだッ!’ドーン!!
‘君のボーグにはどんなに重ねても十年分の重みしかないッ!’‘な、何ぃ!?’‘私のボーグ歴は二日だ! だがしかし! このボーグに我が六十八年の生涯の全てを託す事ができるッ!’‘リュウセイの68倍!?’ ケン、お前一年生から算数やり直せ(w。‘エスパニアの秋風はこれまで嗅いだ事のない熱気を帯びていた…’ トムキャット・レッド・ビートルがはじき飛ばされた! ‘北米のレースは乱暴過ぎて私は直ぐに撤退した…’ 今度は肩透かし! ‘梅ノ木商店街のパン屋の主人は元は相撲取りだった…’ 微妙に違う気がするけど押され捲るトムキャット! ‘素晴ァらしいィ! ボーガーとしては初心者でェすが、波乱万丈の人生がバトルに生ィかされ、複ゥ雑な攻撃をキャ能にしてまァすッ!’ そして繰り出される必殺技、メモリアルメリーゴーランド! ‘私が生まれた日、世界には戦争の気配が漂っていたという…’ ‘俺が生まれた日、親父は世界征服を思いついたという!’‘小学校入学の日は遥か遠い彼方のメモリー…’‘小学校入学の日は朝ごはんのおかずが玉子焼きだった事を昨日の事の様に覚えている!’‘小学校一番で卒業…’ まだ小学生のリュウセイは思わず口ごもる(w。‘既に君には語るべき人生が無い!’ 以後、中学校入学、高校入学、初デート、結婚、出産、嫁取り、初孫。爺ちゃんの人生の重さが圧倒するかに思えたその時!? ‘俺には未来がある! いつまで続くか判らない無限の未来が!!’ 今度は爺ちゃんがたじろいだ! ‘爺さんは思い出を語るだけだが、俺は未来を語るんだ! 十五の俺、ボーグバトルをやっている! 二十歳の俺、ボーグバトルチャンピオン! 三十、連続防衛記録更新! 四十、更に更新! 五十の俺、ボーグバトル永世名人!’‘その根拠はどこにある?!’‘根拠は無くても自信はある! 五十八の俺、ボーグバトル世界統一チャンピオン! 六十の俺はボーグバトルで親父と最終決戦!(ヨボヨボのビッグバンが…) 俺の勝利!’‘お爺ちゃんの思い出がもう残り少ない!’‘六十八歳の現在の私は、初めてのボーグバトルの試合に挑み…、挑み…、挑み…’‘敗北を期する! 六十八の俺、ボーグバトルで息子を叩きのめす!’‘何時結婚してたんだよ、お前!?’ケンの突っ込み最高(w。‘八十の俺、ボーグバトルで孫を叩きのめす!’‘八十の私は…’‘無理すんな、爺さん! 先の事を考えると不安を覚える歳なんだ! だけど子供の俺はどこまで行くかの希望しかないッ!! 百の俺、ボーグバトル皇帝宣言! これによって共和国が反乱を起こし、帝国に激震が走る!’ 遂にナポレオンの域にまで達したリュウセイの妄言に爺ちゃんはバッタリ崩れ落ちた! 泣きじゃくる勝治! しかし起き上がった爺ちゃんは百歳まで生きてボーグバトルを極める宣言!! ‘流石、勝治の爺さんだ!’‘ゾンビ一家だ…’ 再びバイク旅行に出発する爺ちゃんを見送ると、婆ちゃんの影が…。崩れ落ちるリュウセイでEND。
前半はおとなしめかと思ったけど、後半の言葉攻め合戦の凄まじさに爆笑! 何気に作画も良くなってました。脚本/千葉克彦
結論としては、最近のジャンプ漫画にありがちな、重い過去を背負えば背負うだけ強いパターンに問題提起を投げかける深いエピソードでした。って、ホントか!?