CIA特殊ユニット スローアウェイズ

原題も'The Throwaways'。「ファンボーイズ」「ディラン・ドッグ」のサム・ハンティントン主演のコメディアクションです。共演はケヴィン・ディロン、ケイティ・マクグラスに「イージーマネー」に出ていたクリスティアン・ヒルボリィ、そしてジェームズ・カーン。脚本が「ブラッド・パラダイス」のマイケル・ロスと、カート・ラッセル主演のスポーツ映画'Touchback'のドン・ハンドフィールドなのはともかく、監督のトニー・ブイって誰やねん!?と思ったら、1999年に「季節の中で」を撮ったベトナム系アメリカ人のトニー・ブイでした。何とソレ以来の監督作! 製作はUFOインターナショナルです。

国際的天才ハッカーのドリューがCIAに逮捕される。彼が作り、今では全世界のコンピュータの八割が感染しているというワームプログラムを制御する暗号化キーが何者かに盗まれ、それによってシカゴで大規模停電が発生していたのだ! しかも、その暗号化キーは世界各地の武装組織へ売られようとしていた。CIAはそれに対抗すべく、ドリューを中心に特殊チームを結成して…。

というワケで、みんな大好き!特殊チームものでした。集められたのは暴走し過ぎで閑職へ追いやられていた捜査官(ディラン)、セクシー女スパイ(マクグラス)、元KGB(ヒルボリィ)で、そのトップがカーンという配置。

なんですが、オタクの主人公はともかく、その他の面々は多少の色付けはされてるものの、基本的に全員捜査官か工作員で、上手くキャラの描き分けが出来ていない。

また、敵を追うストーリーの面白さとか、ミッションの楽しさ、アクションの派手さなんてのもイマイチ。テンポ自体も悪かったし。

まあ、良く言えば、キャストが揃ってる分もあって、いつものUFO作品に比べれば“映画”にはなってました。

こんな感じで、何故トニー・ブイがこんな映画を撮ったのか(あるいは撮らされたのか)が最大のミステリー、かつ、その謎は解けないままという凡作でした。これなら、似た構図の「スコーピオン」の一エピソードを見る方がマシなくらい。

ネタは悪くなかったと思うんですがねえ。こういうドキュメンタリーもある事だし。



季節の中で [DVD]

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