バトル・オブ・マジック 魔術師マーリンとアーサー王

原題は'Arthur & Merlin'。タイトル通りにアーサー王伝説をベースにした英国製のファンタジーアドベンチャーです。キャストは日本ではほぼ馴染みの無い人たちばかり。監督もコレが初長編の新人です。なお、同じメーカーからは以前「バトル・オブ・マジック マーリンと魔法の神々」がリリースされてますが全くの無関係。

コーンウォールの村。王の使いでやって来たドルイドに逆らったが為に殺されそうになった少年ミルディン。見かねた村の長の息子アースファルが機転を利かせて逃し、ミルディンは魔の森に姿を消す。それから十五年後、王国軍の指揮官になったアースファルは、偶然沼から不思議な力を持った剣を手に入れる。そしてその剣はアースファルに、国王がドルイドとなって近づいた悪の魔術師に操られている事、魔術師と戦うにはあの少年の力がいると伝える幻視を見せて…。

当然、アースファル=アーサー王でミルディン=マーリン。上記のようにかなり改変されてますが、冒頭“マーリン”の母が処女懐胎の末に産み落とすトコから始まる等、それなりにちゃんとした、というか、かなり真面目に作られた作品でした。ファンタジー要素は薄めかな?

全体のトーンも真面目なら、全く無名のスタッフ&キャストが作ったにしては役者の顔つきもソレっぽいし、演技もしっかりしてるし、構図も悪くないし、ロケ地は雰囲気出てるし、衣装もちゃんとしてる。

ただ、それなのに、大して盛り上がらないのはどういう事か。まあ、ソレが監督の才能と言ってしまえばそれまで、なんですが、重要に思えるシーン、例えばアーサーとマーリンの再会する場面等になっても、ことごとく演出が平板なのは気になりました。そこに至る過程も上手く作れてないから、ホントにダラ〜っとしちゃってる。そして、ソレが一回くらいならともかく何度も繰り返され、少しずつ積み重なっていくから、トータルでは…みたいな。

ホント、真面目には作られてるんですがねえ…。