NAKED BODY ネイキッド・ボディ


9/3レンタルリリース ニューセレクト

原題は'Il futuro'。チリの作家ロベルト・ボラーニョの小説を映画化した、イタリア・チリ・ドイツ・スペイン合作の文芸ロマンです。ルトガー・ハウアーが出演してますが、他のキャストやスタッフは日本では余り馴染みの無い人たち。チリの人が多そうですが。

交通事故で両親が急死し、弟と共に突然孤児になってしまった少女ビアンカ。やがて彼らが暮らすアパートに転がり込んできた弟の“友人”たちの誘いで、近くに住む元映画スターの老人マチステを誘惑し、財産を強奪する計画に乗ったビアンカだったが…。

大雑把に言えば、盲目の老人と接するうちに荒んでいた暮らしを忘れ、性的にも知的にも成長していく少女…という、いかにも文芸ロマンなお話でした。

基本的にはそうなんですが、そういうお話にしては淡々としていて、序盤は青春映画としての破壊衝動の、後半は性的方面、それぞれの描写に刺激が足りない気がしました。ちょっとした日常の変化なんかは見せられていたから、監督の狙いはそこじゃなかったのかも知れません。

面白かったのは、こういう少女に“愛のレッスン”を施すのは老教授か作家とパターン化されてるのに、本作ではそれが映画スター、それも往年のイタリア製ヘラクレス史劇のマッチョ俳優になってる点! おそらくはスティーヴ・リーヴスがモデルだと思われますが、何故か劇中に挿入されるのはブラッド・ハリスの「ヘラクレスの怒り」でしたが。

ネイキッド・ボディ [DVD]

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