バイオレンス・マウンテン 陵辱の山

バイオレンス・マウンテン 凌辱の山 [DVD]
5/2リリース ニューセレクト

原題は'Autumn Blood'。オーストリア・米合作によるスリラー映画です(セリフは英語)。主演は「アンストッパブル・ハイウェイ」のソフィー・ロウで、ピーター・ストーメア、「コン・ティキ」のグスタフ・スカルスガルドが出演してます。監督・脚本のマーカス・ブランダーは「第5惑星」の撮影助手を務めてた人で、これが初長編みたい。

夫の死後も山頂近くの牧草地で二人の子供を育てていた女が死亡。同じ頃、美しく成長した姉は、麓の村に住む男に陵辱されてしまう。そして、幼い弟を守るために、その後も続く男たちの行為に娘は我慢を続けていたが…。

最初の方で“セリフは英語”と書きましたが、ほとんどセリフの無い作品でした。お話の説明や登場人物の心情は、絵で見せるだけで、見ている側の想像に任せる作り。冒頭の父親殺害シーンから、ヒロイン一家と閉鎖的な山麓の村人たちに何やら因縁が…みたいなのを匂わせたりとか。

で、ロケ地のチロル地方の風景やソフィー・ロウの肢体と、いかにもヨーロッパ映画的で詩的な美しい絵が続き、邦題から想像されるような直接的にエログロな暴力描写は避けていて、こりゃどう盛り上げていくのかな?と思ったら、中盤ある人物の登場で男たちが暴走! 人間狩りスリラーに転じていくのは面白かったです。

人間狩りシーンでも基本は美しい絵面なんですが、石壁をかすめる弾丸による火花等が混じえられて結構スリリング。

また、キリスト教と土着的な山の神信仰の交差、対立みたいなニュアンスもあって興味深い。
そんな感じで、見どころの多い作品でした。ヒロインのソフィー・ロウは「ワンス・アポン・ア・タイム」のスピンオフ作品'Once Upon a Time in Wonderland'で主役のアリスに抜擢されているから、本作は色んな意味で貴重な作品になるかも知れません。

バイオレンス・マウンテン 凌辱の山 [DVD]

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