ブラッドショット:ヴァンパイア・エージェント


※予告編

原題も'Blood Shot'。よく知らない人が作った吸血鬼ホラーアクションです。主演は「エアポート ユナイテッド93」のブレナン・エリオットで、吸血鬼役が「ヒルズ・ハブ・アイズ」でプルートを演じていたマイケル・ベイリー・スミスなんですが、ブラッド・ドゥーリフランス・ヘンリクセン、そしてクリストファー・ランバートが出演してます。

米本土で暗躍していたイスラム系テロ集団を一網打尽にしたのは二丁拳銃を構えた吸血鬼だった! この闇の処刑人の存在を知り、単独で捜査していた刑事リップも現場に駆けつけたものの捕り逃がしてしまう。一方、テロ集団は母国から核兵器を持ち込んで…。

吸血鬼の正体は、米大統領直属のCIAエージェントだった! この余りにも突飛な話に、同僚は誰も聞く耳を持たず、刑事はとうとうクビに。逆に吸血鬼といつも絡んでいたのを見たテロ組織は、刑事が仲間だと勘違いし、彼の女房を人質に取って…という展開です。

吸血鬼が不死身のエージェントというネタがまず良い。そして、刑事はまるで1980年代のタフガイはみだし刑事みたいなロン毛。対するテロ組織は、どこの石油王だよ?ザ・シークか!という中東の民族衣装にボスは身を包み、アジトの裏にはハーレムを作り、美女にベリーダンスを踊らせるという、今時ありえないベタベタな設定、でも逆にそれがいい、みたいな。

で、吸血鬼とはみだし刑事の間に、追っかけっこを繰り返すうちに不思議な友情が芽生え、要するにバディものの様相になっていったり、吸血鬼に対抗するためにテロ組織が魔神を召喚したりと、後半も結構楽しい展開。

こんな感じで、出てくる要素はかなり面白い作品でした。しかし、その混ぜ方、見せ方が正直下手くそ。冒頭は誰が何をやってるか、さっぱりわからないくらいガチャガチャしてたり、逆にダラダラした会話が続いたりとチグハグ。

もう少し上手く作れば拾い物のB級娯楽作になったのに…と勿体無く思えた作品でした。でも、ホントにネタ自体は良かったから、一見の価値はあるかも?しれません。