ザ・シューター 大統領暗殺

原題は'Suddenly'。ウーヴェ・ボル大先生が監督したサスペンスアクションです。主演はレイ・リオッタ、ドミニク・パーセルに「ワールド・シャットダウン」のエリン・カープラック。マイケル・パレ、ブレンダン・フレッチャーというボル作品の常連組も登場します。脚本は「ジャバウォック 天空の龍神と雷斬りの剣」のラウル・イングリスです。

山あいの小さな町に、休養のため米大統領が訪れる事に。山腹に立つエレン一家の家を警備拠点にするとシークレットサービスが乗り込んで来たのだが、何と彼らは大統領の命を狙う暗殺者だった!

お話は、イラク派遣で夫を亡くした未亡人一家が人質に取られる中、リオッタ演じる夫の同僚だった飲んだくれ保安官が救う!? そして暗殺者グループもイラク帰りの元海兵隊だった…という展開です。

で、久々にボルちゃんの映画を見たんですが、以前に比べて格段に上手…くはなってないけど、かなりマトモになっててビックリ!

ま、冒頭の酒場でのちょっとした喧嘩のシーンに、悪魔が召喚されそうなおどろおどろしいBGMを流したりと、変な部分も残ってはいるものの、以前の様な何やってんのかさっぱりわかんない演出が影を潜め、話もスーッと頭に入ってくる。

大統領暗殺という大ネタながら、舞台を予算規模に合わせて、ほぼ一軒家の中だけに限定してるから、全体がコンパクトにまとまった印象に。

ただ、過去作のような、次に何が飛び出すか予想もつかない、見世物小屋的な面白さ、ボル作品ならではの個性が失われてしまったのはちょっと寂しかったです(w。まとまってる、見られるといってもB級TVムービーのソレに限りなく近いレベルだし。

ウーヴェ・ボル、ドミニク・パーセル、エリン・カープラックの顔合わせでは、本作よりひと月前に「ウォールストリート・ダウン」がリリースされます。

IMDbの点数はいくら何でも高過ぎだと思いますが、こちらも話がちゃんと進んで、ウーヴェ・ボルの作品とは思えない出来でした。「ザ・テロリスト」に続く社会派アクションで、ボルちゃんはヘンテコファンタジーよりこういうのを撮っていった方がよろしいんじゃないでしょうか。


三人の狙撃者 [DVD]

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「ザ・シューター 大統領暗殺」の元ネタ。コメントで情報をいただきました。