7BOX セブン・ボックス


7 BOXES Trailer | Festival 2012

原題は'7 cajas'(英題'7 Boxes')。これまで二十本以下しか映画が作られてなかった(ホント?)南米パラグアイからやって来たサスペンスアクションです。当然、スタッフもキャストも知らない人ばかり。

市場で買い物客の荷物を手押し車で運んでは小銭を稼ぐ日々の少年ビクトルは、肉屋で働くグスから七個の木箱を運ぶ仕事を請け負う。聞いた事も無い多額の報酬に色めき立つビクトルだったが、連絡があるまで大事に守るよう言われて…。

この後は、中身もわからないまま、本来仕事を請け負うはずだった“運び屋”のライバルに追われ、コソ泥にも狙われ、信頼出来るのはチョイブサなガールフレンドだけという状況の中で、迷路のような市場街を舞台に悪戦苦闘する少年の一夜をスピーディに描いていきます。

で、意外にも七つの箱の中身はかなり早い段階でバラされちゃう。しかし中盤以降は、そこから二転三転。主人公まで箱を見失ったり、警察や依頼主にまで追われ始めたり、更に主人公のお姉ちゃんの話が絡んで来て、どんどん面白くなっていく。

主人公の少年は、ケータイ(2005年の話という設定なので動画が撮れるだけでスゲエというガラケー)を持つのが夢だったり、テレビスターに憧れたりという、ほとんどガキんちょレベルの思考の持ち主。それとは対照的に、話の方はかなり血生臭い展開になったりと、パラグアイの実情をちゃんと織り込んだ作りに。

それでいて意外に垢抜けていたトーンで、辛気クサいムードなどほとんど無いから、見やすくなっているのは良いところ。

まぁ、発見!と騒ぐほどの新しさまでは感じないし、終盤はコナレてなくてダレ気味だったりもしますが、パラグアイ産という希少性も加点すれば、やはり一見の価値のある作品かと思います。