ラスト・ミニッツ

原題は'A Common Man'。ベン・キングスレー主演のサスペンスアクションです。共演もベン・クロスと、英国人二人がメインキャストですが、製作は米・スリランカ合作で、監督も映画の舞台もスリランカ。そして'A Wednesday'というインド映画のリメイク版のよう。

スリランカコロンボ。警察本部特殊部隊副総監シルヴァの携帯電話に見知らぬ男からの着信が。男は“コロンボ市内の五ヶ所に爆弾を仕掛けた、まずは警察署の爆弾を爆破させる”と告げる。男の電話どおりに爆弾が発見され、色めき立つ警察署内。次に男は、既に逮捕、収監されている四人のテロリストを解放するよう要求して…。

まず、熱気ムンムンのコロンボ市内を爆弾を仕掛けながら歩くキングスレーという絵だけで、イイ雰囲気が漂うオープニング。その後も、キングスレーとベン・クロスの知略戦が全編に渡って展開、するんですが…。

何というか、主演二人が英国人というせいもあって、全体的にアジア映画というより、中途半端に欧米映画の影響を受けてるムード。ただ、現地の俳優さんたち(なのか?)の演技も含めてユルさは隠し切れず、ナンともヘンテコな味わいに。

特に、現場で犯人を追うのが、グラサンにノーヘルでバイクを駆って刑務所に乗りつけ、何故か上半身裸に腰履きジーンズという姿で聴取にあたるセクシーワイルド刑事! コイツが出てくると、あっ!アジア映画だ!!というノリに。ただし、アクションシーンはこれまたユル〜いテイストであまり迫力は無し。

話自体は結構ちゃんとしてるし、犯人vs副総監のシーンに戻ると緊迫した雰囲気になるものの、他の部分との落差がヒドくて、見ていて不思議な気分になってしまいました。

要するに珍作の部類なんですが、そういう楽しみ方が出来るほど変わってるワケでもないし…。リメイク元のインド映画の評価がやたら高いところを見ると、コレは本作の監督の才能に難があったのでは? そんな気がするヘンテコな作品でした。

※'A Wednesday'の予告編

ベン・キングスレー出演作