ワイルド ラヴァーズ

原題は'Kill for Me'。リメイク版「エルム街の悪夢」のケイティ・キャシディと「人喰い怪物ゴブリン」のトレイシー・スピリダコスが共演したスリラー篇です。監督はエイドリアン・ブロディ主演作「エスケイプ」のマイケル・グリーンスパン。

失踪した親友に代わり、女子大生アマンダのルームメイトになったヘイリー。それぞれ恋人や実父からDVの被害を受けていた事を知った二人は急速に親しくなっていくが…。

親しくなって、と書きましたが、要するに同性愛的なソレです。互いの傷を舐め合ううちにブチュー!みたいな。

と言いつつ、全体的なムードはかなりシリアス寄りなので、序盤はDV被害者の苦悩や同性愛者の偏見について語るドラマ色の濃い作品、なのかと思ったら…。

中盤になって話は一変。ストーカー化して付きまとう元恋人を誤って殺してしまう二人。罪を共有した事で、今度は私を痛めつけた父親を殺しましょうよ!と、片方が強要。その狂いっぷりに恐くなって男に走ると、今度はその男に嫉妬して…というサイコスリラー的な様相に。

しかし、そういう展開にも関わらず、やっぱり演出の方はシリアスドラマ風なんだよなぁ。終盤は監禁スリラーの要素まで入ってくるのに、あまり娯楽映画的なサービスがほとんど無いから、これはどういう見方をすればよいのか判らなくなってしまった。ドラマ寄りの作品にしては、展開が極端過ぎますし。

個人的な趣味で言えば、良い意味でもっと下品な作りの方が良かったかな。あと、邦題はどういう意図で付けられたのか、最後まで見てもわかりませんでした。素直に「ルームメイト」系のタイトルで良かった気がします。

ルームメイト [DVD]

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