オートマチック


10/26レンタルリリース ミッドシップ

原題は'Calibre 9'。フランス製のバイオレンスアクションです。スタッフ、キャストは聞いた事が無い人たちばかり。

場末のホテルでヒモに殺された娼婦。その遺体の腹部に奇妙な傷跡を発見した老刑事がそこを探ると、何と体内から一丁の自動拳銃が出てくるのだった! 一方、悪徳市長に仕え、自身も私腹を肥やしていたものの、そんな生活に虚しさも覚えていた役人ヤン。何故か問題の拳銃がいつの間にか彼の鞄の中に…?!

まず、こんな原題ですが、イタリア製のギャング映画「ミラノカリブロ9」とは何の関係もありません! 主人公が坊主頭なので、見る前はひょっとしてリメイク?と思ったりもしたんですが。

で、お話の方はというと、拳銃には二年間のどん底暮らしから開放された娼婦の魂が宿っていて、それを手にした主人公は“彼女”の命じるままに悪者どもをガンガン打ち倒していく!という展開です。

そんなプロットもそうですが、映像の方も、エフェクト掛け捲り、やたら血飛沫飛ばし捲りという、典型的なマンガチックオナニーアクション映画でした。ではあるんですが、冒頭の娼婦のエピソードも含めて、構図の取り方なんかは結構センスが良くて、エフェクトの方もギリギリうるさ過ぎてヤな感じになるまでには至っていない。それに、全くの無名のはずの役者たちの演技を見る限り、それなりに的確な演技指導をしたんじゃないかと思われたりも。

ただ、呪いの銃が主人公に渡る過程を筆頭に、主要登場人物の背景や関係性の説明あたりが不足かつヘタクソで、お話的な面白さはあまり感じられませんでした。

あと、パッと見はセンスでごまかせてるものの、よく映像を見れば低予算なのが丸わかりなのもちょっと気になりました。特にクライマックスは、あの展開ならもっとお金を掛けて舞台を整えないと…という感じ。

まぁ、最初に書いたように、全く無名の新人が撮った割りにはセンスの良さが感じられて、ひょっとしたら今後出世するかも?と思える意欲作ではあります。

ミラノカリブロ9 [DVD]

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※「ミラノカリブロ9」の予告編

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