バンディット 前編:義賊ヤノシークの誕生/後編:英雄の最期
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原題は'Janosik. Prawdziwa histori'。最近はTVドラマの演出ばかりで寂しいなぁと思ってたら、突然「ソハの地下水道」が本年度アカデミー外国語映画賞にノミネートされてビックリしたポーランドの女性監督アニエスカ・ホランドが、その前にやはり故郷ポーランドで撮っていた、十八世紀の伝説的義賊ユライ・ヤノシークの半生を描いた実録アクションです。キャストはよく知らない人たち(だと思います)ばかりですが、「木洩れ日の家で」のポーランドの国民的名女優、ダヌタ・シャフラルスカが出演してます。
1711年。皇帝軍に属しながら盗賊の頭領トマーシュの脱獄に協力した青年ヤノシーク。やがて除隊し、帰郷した彼をトマーシュはポーランドとスロバキア国境近くの山々に隠れ住む盗賊団に誘うのだった…。
ヤノシークは盗賊と言っても金持ちや政治家ばかりを獲物にし、奪った金銀財宝を貧しい庶民に分け与えるいわゆる義賊。その辺の詳しいエピソードはWikipediaを参照して下さい。
というかですね。ポーランドやスロバキアでは、1991年にアニメシリーズ化されるくらいに誰でも知ってる英雄譚なせいか、お話の背景なんかの説明が不親切で映画を見てるだけではよく判んないんですよ。だから、日本人はWikipediaでも読んでからじゃないとお話がスッと入って来ないと思います。
そして、どうやら単なる娯楽映画的な英雄譚ではなく、ヤノシークの実像をリアルに描くのを目的にした作品のようで、判りやすい活劇としての魅力もちょっと薄めだったりします。
じゃあ退屈な映画かと言えばそうでもなくて、映像の魅力はかなりある作品でした。ちょこちょこ出てくるファンタジックなシーンも良いんですが、それ以上にホランド作品らしい生々しいというか粘り気多めな性描写、そして当時行われていたんであろう土着的な冠婚葬祭のシーンなんかは非常に興味深かったです。
また、リアル志向という事だからなのか、英雄として祭り上げられながらも愛した女には次々に去られていくといった、主人公の虚しい心情にも迫ってたり。
こんな感じで、中々に見どころのある作品でした。エログロ描写もあったりしますし(w。
ただ、リリースするメーカーがいつもダメ映画ばかりのトコ故の問題点が。それは何故か映画を二巻に分けてる事! 見る前は、IMDbによれば140分しかない一本の映画だけど、きっと国際用テレビ放映向けに作られたバージョンがあるんだろう、きっとそれをリリースするんだよね…と思ったら、単に真ん中辺りで結構なぶつ切り状態で分けただけでした! 一応、続く…みたいにはしてありますけどね。ホント、コレは謎だなぁ。二層ディスクを作るのも面倒くさいのかしら?
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