9日目 ヒトラーに捧げる祈り

9日目 [DVD]

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※予告編
 原題は'Der neunte Tag'(英題'The Ninth Day')。フォルカー・シュレンドルフが2004年に撮っていた実録戦争ドラマです。出演はウルリッヒ・マテス、アウグスト・ディール。
1942年、ダッハウ収容所。ナチスに歯向かう聖職者たちが集められたこの場所で、神父のクレーマーもいつ殺されるとも知れない地獄の日々を過ごしていた。そんな時、突然彼に故郷ルクセンブルグへの帰国が許される。逃げるように帰郷するクレーマーだったが、実際に彼に認められていたのは、釈放ではなく九日間の一時帰国だった。そして面談したナチスの青年将校からある命令が下り…。
主人公に課せられたのは、やはりナチスに反抗する大物司祭の説得。九日間の間にそれが敵わぬ場合は再び地獄の収容所送り、逃げ出せば兄弟の命も…というタイムリミットものみたいな流れ。
ではあるんですが、あまりサスペンス風の作品ではなく、収容所に置いてきた仲間たちや兄弟、あるいは信仰そのものに対しての“裏切り”について、青年将校とディスカッションするドラマ色の強い内容でした。
で、非常にちゃんとした作りで、主演二人の演技もイイ。でも、何だかドーンと胸に迫るモノは無かったかなぁ。コレは、本作自体がどうこうという以前に、この手のナチスものが今作られ過ぎてるのが原因だと思います。
出来自体が悪いワケではないし、気に入られる方もきっといらっしゃる作品ではないでしょうか。