ザ・アイデンティティー

ザ・アイデンティティー [DVD]

原題は'The Fifth Patient'。「パウンド」のニック・チンランドが主演したサスペンススリラーです。主役は地味ですが、共演がイザック・ド・バンコレ、マーリー・シェルトン、エディ・ガテギ、「アイス・クエイク」のブレンダン・フェア、そして何故かピーター・ボグダノヴィッチまでと妙に充実。でも、監督・脚本は聞いた事の無い人です。

目覚めると、全ての記憶を失い、全身に重傷を負った状態でアフリカ某国の病院に入院していた男。病院を管理する軍人からはCIAのスパイでは? という疑いを掛けられ、夜になると“同僚”や“妻”が面会に訪れる。次第に失われた記憶がフラッシュバックするようになるのだが…。

キャストの充実からある程度は期待してましたが、その通りにかなり雰囲気の出ている作品でした。

お話のほとんどが、汚げでイイ感じの病院から出ない、会話中心で進む作り。無名の監督が撮ってる作品で、これだと一見退屈しそうなところですが、これが意外に一定の緊迫感が持続して悪くなかったです。記憶のフラッシュバックという形で、要所要所に派手めな映像も挿入されたりするし。

ただ、この種のお話なので、当然主人公の正体とその明かし方が評価を決定付けるワケですが、これがちょっと…。まぁ、ここが上手く言ってれば、C級映画専門のこのメーカーがリリースする筈が無いので…。

とはいえ、雰囲気はホントに悪くなかったです。暇潰しくらいなら十分な出来じゃないでしょうか。