ワナオトコ

ワナオトコ [DVD]

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原題は'The Collector'。パート4以降の「ソウ」シリーズや「フィースト」シリーズの脚本を担当してきたマーカス・ダンスカンの初監督作となるスリラー映画です。脚本は、前述の作品を一緒に書いてきたダンスカンとパトリック・メルトンのコンビがそのまま担当。主演のジョシュ・スチュワート以下、キャストは海外TVシリーズにゲスト出演してるクラスのヒトたちがズラリ。

別れた妻から借金の返済の肩代わりを頼まれた強盗のアーキン。仕方なく、かねてから内装屋として入り込んでいた金持ち一家の豪邸での“仕事”を決行したのだが、そこには黒覆面を被った謎の男が既に入り込んでいた! しかもコイツが仕掛けたのか、屋敷の至る所に無数の殺人トラップが! 更に、家族旅行に出かけていた筈の主人夫婦も男に捕まり、壮絶な拷問を受けていた! 脱出しようにも出来ないアーキンは隙を見て主人に接近、彼から妻と娘二人を助けるように頼まれて…。

まず、脚本家の監督作というと、普通は絵で見せりゃ済む所も自分の言葉に酔って話がクドくなりがちなモノ。ところが本作の場合、話らしい話なんか一切無し! 全編、主人公が様々なトラップに悪戦苦闘するだけ! よく考えたら、「ソウ」や「フィースト」のシナリオなんて、こんなヤツがこんな殺され方をする! 程度しか書いてなさそうだもんなぁ。基本アイディア屋なんでしょう、この監督。

そして、やはり初監督作だからか、演出の方はちょっと拙い。特にこのプロットなら当然やりそうな、突然トラップが飛び出してワッ! ビックリ!! みたいなシーンのタイミングが全然ダメ。おかげで、その類のショックシーンはちょっと迫力無し。

と、いきなり文句を並べてしまいましたが、良い部分も結構ある作品でした。特にイイのが、針が刺さって痛い! 剃刀で切って痛い! 皮が剥がれて痛い! みたいに、残虐シーンを地味ながらもリアルに痛さが感じられるモノばかりで攻めている事。最近だと何かとCGを使って派手に人体破壊はするけど、まるで痛みを感じないヤツばっかじゃないですか。きっとそういう風潮に対する監督からのアンチテーゼではないでしょうか。血飛沫も派手に飛び散る感じじゃなく、ダラダラ流れる分、被害者がキツそうに撮れてて中々。

それと、さすがに脚本家監督と思えたのは、序盤にちゃんと、主人公が金持ち一家の面々それぞれに情が移るシーンを入れてる事。だから主人公は、心理的にも簡単には屋敷から逃げ出せないし、そこに説得力が生まれてる。更に、観客には脱出して元妻の下に戻らねばならない理由も同時に見せてたり。この辺の丁寧さは単なる低予算のスリラー映画とは一線を画してると思いました。

という感じで、ホラー/スリラー映画ファンの中には好きになるヒトも出そうな作品でした。そこそこ可愛いおネエちゃんのヌードもあるよ!