愛しのベス・クーパー

原題は'I Love You, Beth Cooper'。「HEROES」のヘイデン・パネッティーア主演の青春ラブコメディです。彼女の相手役は「イングロリアス・バスターズ」のポール・ラスト。監督は何とクリス・コロンバス、脚本は「おまけつき新婚生活」のラリー・ドイルです。

高校をトップの成績で卒業したものの冴えない学園生活を送ってきたデニスは、卒業式の答辞で大胆にも憧れのチアリーダー、ベスに告白! しかも彼女を自宅でのホームパーティに招く事まで成功してしまう。だが慣れない女の子の扱いに四苦八苦するデニスとその親友リッチ。そんな時、ベスの元彼たちがデニスの家を襲撃して…。

この後は、流れで元彼たちから一緒に逃げるはめになったデニスとベスが、次第に心を通わせて…というよくある流れ。

最近では完全にハリウッドの便利屋になっていたクリス・コロンバス。久々に本来の十八番であるコメディを撮ってどうなるのか注目したんですが、正直今のアメリカンコメディの基準で考えると、テンポはノロいし、登場人物の描き込みも不足してる。

ギークやナードとジョックとの対立構図は定番としても、今は更にその先まで描くのが基本じゃないですか。この映画はその辺が全然出来てない。

それと話の鍵を握るのがヘイデン・パネッティーアってのが…。太地町まで乗り込んでイルカ漁反対のパフォーマンスをしたり、それであのPETAから表彰されたりしてる時点で相当なノイズになってるワケですが、それ以前に彼女のルックスってホントに可愛い? 顔は百歩譲っても良いけど、スタイルは学園のプリンセスというにはポッチャリし過ぎじゃない? 二の腕なんかムッチリし過ぎだし。彼女を引き立てる為か、ヒロインの取り巻きのおネエさんたちも、普段が学園ドラマで見かけるようなモデル体型のコじゃなく、パネッティーア以上にどっしりしてる女優さんたちを配してるのも本作の残念な点。

まぁ、パネッティーアのファンなら背中ヌード&横乳披露なんてシーンもありますから必見かも知れませんが。

個人的に唯一良かったのは、主人公の父親役がアラン・ラックだった事! 元フェリスの相棒! 明らかにそれを踏まえて、ガリ勉な息子に不良の薦めをしたりするのは嬉しいんですが、だったらお前は今まで何故息子に男修行をさせてなかったんだよ! という気も。その辺もこの映画の手ぬるい所だなぁ。

見ている間中、似た設定ながら出来は雲泥の差の「スーパーバッド」が見たくて仕方なくなる凡作でした。

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