ダブルフェイス 秘めた女

ダブルフェイス 秘めた女 [DVD]

ダブルフェイス 秘めた女 [DVD]

原題は'Ne te retourne pas'(英題'Don't Look Back')。ヨーロッパを代表する二人の女優、ソフィー・マルソーモニカ・ベルッチが初競艶、それも二人一役を演じるサイコミステリーです。監督・脚本は、「まぼろし」「8人の女たち」といったフランソワ・オゾン監督作に脚本で参加し、「イン・マイ・スキン」では監督・脚本・主演の三役をこなしたマリナ・ドゥ・ヴァン。

作家としての活動が上手くいかないストレスからか、自宅や家族の雰囲気に違和感を覚え始めたジャンヌ。やがて自身の容貌にも変化を感じ始め、次第に精神状態が不安定になっていく。そして遂には夫や子供たちが全くの別人に見え始め、とうとう自分自身の姿までもが…。

要するに変身モノの一種。それが精神的なものなのか、それとも実際に変化が起こるホラーじみたものなのかは見ていただくとして…。

普通この種の作品だと、男性から女性へ、あるいは老人から子供へという風に、話をドラマチックかつ判りやすくする為に極端な変身をさせちゃうじゃないですか。ところが本作の場合はソフィーからモニカという、同世代*1の同性、しかも美女から美女に変わるんだから、ソレってどうなの? と序盤は感じていました。

ところがこの映画! ある時点でスパッと入れ替わるんじゃなく、徐々に変化が訪れるというパターン。その過程で、CGなのか特殊メイクなのか(おそらくは両方)、主演二人の顔のパーツが混ぜこぜになっちゃう場面まで登場! 頭で考えたら、どっちにせよ美女のパーツだから大して…と思い勝ちですが、これが何とも面妖というか何というか。まるでピカソの『泣く女』みたいな、ほとんど化け物といっていいおぞましい姿に! 更には、彼女の周囲にいる人物も同じ様な変貌を徐々に取らせてる(ように見えた)から、観てる方は言い知れぬ不安感、緊張感を味わっちゃう事に。

基本的には、三、四十代の女性が感じるんであろう精神的、肉体的な変化がテーマなのかなという感じがして、女性が観た方がよりグッと来る作品だと思いました。監督も女性だしね。

その上で男目線のポイントを語ると、この二人の作品のお約束としてエロいサービスシーンはふんだんに盛り込まれております(w。乳首ポチ、乳輪透けなんて当たり前! そんな直接的なシーン*2よりも、より卑猥な印象を受けたのが実家に帰ったモニカ姐さんが子供時代のパジャマに着替えるシーン。当然全くサイズが合ってなくてパッツンパッツンのツンツルテン。でも何故か、超高級な風俗店に入った気分になってしまいました(w。

あと、劇中に登場する子役のコたちが、まぁ揃いも揃って美少女なこと! 特に話のカギを握る少女役のコは超のつく美少女だわ、下着姿になっちゃうわだから、北の方に住んでるあの方々も必見と言わざるを得ません!

そんな感じで、見る前に懸念したような、おフランスらしいオサレかつ辛気くさい映画ではなく、自分のようなB級映画好きでも楽しめる作品でした。

そうそう、モニカ姐さんだと、同時期にもう一本未公開映画がリリースされます。タイトルは「モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル」。

モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル [DVD]

モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル [DVD]

原題の'Manuale d'amore 2'から判るように「イタリア的、恋愛マニュアル」の続編となるラブコメオムニバスです。監督は前作に引き続きジョヴァンニ・ヴェロネージ。

*1:モニカ姐さんの方が二つ上、ソフィーは自分と同い歳!

*2:ラストシーンはそれがストレート過ぎて笑っちゃう!