オックスフォード連続殺人


5/7レンタルリリース SIMカンパニー


'The Oxford Murders' Trailer HD

原題は'The Oxford Murders'。ギジェルモ・マルティネスの同名小説を、「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」のアレックス・デ・ラ・イグレシアが映画化した西・仏・英合作のミステリー映画です。主演はイライジャ・ウッドジョン・ハート。更にレオノール・ワトリング、ドミニク・ピノン、「ダークソード 処刑人」のジュリー・コックス、「トーチウッド」のバーン・ゴーマンらが共演してます。

天才と名高い老数学者セルダムに憧れてオックスフォード大に留学したアメリカ人青年マーティン。だがセルダムと出逢って早々、下宿先の管理人にしてセルダムの恩師の未亡人である老女の殺害現場を、事もあろうにセルダムと一緒に発見してしまう。事前に数学的記号が記された予告メモが送られてきたと語るセルダムと共に、真相究明に乗り出したマーティンだったが、事件は連続殺人の様相を呈して…。

老教授と彼に憧れる青年が事件の謎を解く! というと本格ミステリーのよう。一応はそういう作りにはなってはいるんですが、二人が交わす会話はほとんど禅問答のような数学話。原作もそうでしたが、この時点で投げ出すヒトが多数出そうな予感…。

でもこの手のヤツは、ぶっちゃけ中身を全て理解出来るはずが無いんで、“そういうモノ”レベルで考えとけばOKだと思うんですよ。これは「Dr.HOUSE」の医学ネタも一緒だけど。

むしろこの作品は、その数学談義も含めて醸し出されてる何ともイイ雰囲気を楽しめば良いんじゃないかと。まずウィトゲンシュタインの逸話から始まって掴みはOK。舞台はミステリーの本場。原作+監督が作り出すラテン文学の魔術的感覚。螺旋階段。ジュリー・コックスの美貌。レオノール・ワトリングのダイナマイトボディ(看護婦役! 裸エプロン!!)。イイ顔した患者がいると思ったら何とアレックス・コックス!! それらにデ・ラ・イグレシア独特のユーモアが絶妙にブレンドされて、ムードは満点と言っていい。

正直に言うと、あのオチに持っていくには人間関係形成の過程が簡単過ぎるし、ミステリーとしてはどうかと思う面も(これも原作がそうなんで…)。でも、何しろこれだけの面子が作り上げた作品、劇場未公開作としては一見の価値は十分あると思います。

オックスフォード連続殺人 [DVD]

オックスフォード連続殺人 [DVD]

オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)

オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)

あと、イライジャ・ウッドだと2007年製作の「デイ・ゼロ」という作品がレンタルオンリーで既にDVD化されてます。


2/10レンタルリリース ワーナー・ホーム・ビデオ

原題も'Day Zero'。社会派色の強いドラマという事で自分はスルーしたんですが、ファンの方は要チェックでしょう。