スリ


11/6レンタルリリース ファインフィルムズ

原題は‘文雀’(英題'Sparrow')。そう、我らがジョニー・トゥの‘文雀’がこんな邦題で唐突に日本上陸! しかもレンタル先行!! 主演はサイモン・ヤムと「フルタイム・キラー」「デッドエンド 暗戦リターンズ」「レディアサシン」のケリー・リン。みんな大好き、ラム・シューおじさんも出てますよ。

四人組スリのリーダー格、ケイ。一仕事終えて街に繰り出した彼は偶然見知らぬ美女を見掛ける。実は他の三人もそれぞれに彼女と出逢っていた。ところが次に彼女を見掛け、追いかけると、謎の男たちに痛めつけられてしまう。一体、彼女の正体とは…。

実は黒社会の重鎮に囲われていた美女。彼女を助け出すためにスリたちが奔走する…という話。美女との出逢いによって小悪党が本当のコワい世界に迷い込んでしまうという、典型的な犯罪サスペンスの流れではあるんですが、これがナンとも不思議な映画でした。

確かにこれまでも大量のヘンな映画を作っているジョニー・トゥ。でもこの映画は、サイモン・ヤムによるパントマイムみたいな一人芝居のオープニングから始まって、全篇が軽妙、爽やかなムードで描かれてるんですよ。まるで良い意味でフランス映画みたいなシャレた雰囲気なんです。これは映画のほとんどが穏やかな日差しが降り注ぐ日中のシーンというのもあると思う。

これまでの作品を思い出せば、こういう雰囲気の映画を撮れるのは判りますが、このムードで犯罪映画を撮ったのが面白いなぁ。

個人的には、こういうムードの映画でももうワンパンチ、もうひと捻りして欲しいと思うし、ある種寓話的なお話なんだから、男たちを惑わす美女役にケリー・リンはちょっと…というのが正直な感想ですが、映画的な面白味は十分にある作品だと思います。

スリ [DVD]

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