ドラゴンハンター


10/2リリース アットエンタテインメント

原題も'Dragon Hunter'。邪悪なドラゴン退治を運命付けられた戦士の戦いを描くファンタジーアクションです。スタッフ、キャスト共に無名揃いですが、ヒロインのハーフエルフを「ザ・リング2」で貞子(サマラ)役だったケリー・ステイブルズが演じてます。

ドラゴンによって村を焼け出されたダリウスとケンドリックの兄弟。西へ向う彼らは、新たな仲間と知り合いながら目的地へたどり着く。そしてその場所は真のドラゴンハンターへと導く伝説の城だった…。

うーん…。まずは良かった点から書こうかな。注目のドラゴンは、低予算映画ですのでジャケにあるような大活躍こそ見せてくれないものの、オオトカゲ系のいかつい顔つきが中々良く出来てました。それほど大きくない全長も作品の規模を考えれば賢明な判断だと思います。

それとヒロイン以外の役者陣も思いのほか悪くなかった。ジェイソン・ステイサム似の屈強ハゲな兄と優男の弟。ひと言も口を利かない黒人戦士も見た目は迫力アリ。まぁ演技力の方は…という気もしますが。

そんな感じなのでパッと見は割りに良い感じに映る作品。でも全体を見るとやはり…。まず脚本がヒドい。勿体ぶって謎は後回しにしたつもりなんでしょうが、おかげで前半は登場人物たちが何者なのか? 世界観は? 旅の目的は? と出てくるモノ全てが判んないまま見るハメに。この監督(脚本兼任)、掴みが大事って知らないのかな?

映像の方も全然で、特にアクションシーンになると、今時のガチャガチャ系というより単に手ブレがヒドい映像になるから何やってるのかさっぱり判らない。パンすら満足に出来ない始末で、酔うというか目が回る感じ。

一応フォローすると、ふざけてたり商売っ気のみで撮った様には見えない真面目な雰囲気は伝わってくるんですよ。おそらくは「ロード・オブ・ザ・リング」やRPG好きが高じて、ちゃんとしたファンタジー映画を撮ろうと頑張ったみたいな。でも残念ながら映画作りの才能には恵まれなかった感じ。理想と現実のギャップの残酷さを感じた一本でした。

ドラゴンハンター [DVD]

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