モール・コップ

原題は'Paul Blart Mall Cop'。あの「グラン・トリノ」を蹴落として全米第一位を記録したコメディ映画です。主演・脚本は「最後の恋のはじめ方」のデブ役者、ケヴィン・ジェームズ。共演は「パニック・フライト」のジェイマ・メイズ

体力と体格の問題で警官の採用試験に落ち続けるダメな中年男ポール。警備員として務めるショッピングモールでは警官気取りで張り切るものの失敗続き。更にひと目惚れした売り子エイミーの前で悪酔いしてしまって大失敗と冴えない日々が続いていた。そんな中で迎えた感謝祭の日。何とモールを強盗団が襲撃して…。

警官に憧れ続けてきた男が活躍の場を与えられ、愛するあのコを救う為に奮闘するというコメディ版「ダイ・ハード」といった内容でした。

見る前は、監督が「ボクらのママに近づくな!2」等のヌルたいファミリーコメディばかり撮ってるスティーヴ・カー、でも製作がアダム・サンドラー率いるハッピーマディソンなので…と、果たしてどっちの色が強く出てるのかと思ってたんですが、実際の出来は残念ながら前者優勢で…。

とにかく全体に作り込みが甘い! デブ男、ショッピングモールという舞台、ケータイ、周囲を固める警官隊と美味しい材料は揃ってるのに、ちゃんと調理せずに混ぜただけでチンしちゃったような出来。

良かったのは強盗団が見せるX-GAME風アクションの豪快さくらい。でもコイツらにしたって結局何がしたかったのか見せ切らないまま終っちゃうし。

似たプロットの「ホット・ファズ」の域にまでとは言わないけど、もう少しは詰めてから作れよ! って感じでした。

さてさて、今秋には他にもこんな日本未公開のアメリカンコメディがリリースされます。どちらも余り好みじゃないっぽいし、サンプルも来てないのでさっさと紹介します。

原題は'The Comebacks'。「ホット・チック」のトム・ブラディ監督によるスポーツコメディ。主演は最近のコメディ映画には欠かせない名脇役の一人、デヴィッド・ケックナーです。原題は'Meet the Spartans'。邦題通り「300」のパロディもので、監督は「ディザスター・ムービー!」のジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーのコンビです。※廉価版