実録・リアル食人族

実録・リアル食人族 [DVD]

原題は'Welcome to the Jungle'。見られなかった作品として取り上げた食人族ホラーのサンプルが今頃届きました。あらためて紹介すると、監督・脚本がトーマス・ジェーン版「パニッシャー」のジョナサン・ヘンズリーで、製作がゲイル・アン・ハードという豪華版。キャストは無名のヒトたちです。

ニューギニアで行方不明になったマイケル・ロックフェラーの目撃情報を得た四人の男女が一攫千金を目論んでフィジーからヨットで現地に向う。そして食人族が棲むという噂のジャングルへ軽い気持ちで足を踏み入れたのだが…。

今時の映画らしく、自分らの冒険の様子を収めたホームビデオという体裁。その為にBGMは一切無い中、典型的バカ者たちが大した覚悟も無いまま、冒険ともレジャーともつかない旅を始める様子を淡々と見せていくだけの内容で、正直輸入盤で見ていたら途中で投げ出してただろうなぁという退屈さ…。

肝心の食人族が出てくるのは、残り三十分を切ってから。ここからドキュメンタリー風の作りなのがようやく効果をあげ始め、それなりに緊張感のある映像が展開します。ジャングルの茂みの中からチラッチラッと食人族たちが垣間見えるシーンなんか、かなり良く出来てる。ちゃんと串刺しシーンもあったりして、21世紀版「食人族」と言っても過言じゃない感じでしょうか。でもねぇ…。

まぁこういう映画を企画した意図は理屈では判るんですよ。ただ、いくらなんでも前半からもう少しはストーリーなり映像なりに映画的なサービスを入れてくれないと。終盤にしたって人間狩り映画的な躍動感は全然無いし。

そんな感じで、米本国でも劇場公開されずDVDスルーになったのも当然な失敗作だと思います。ひょっとしてこの出来だからメーカーもサンプルを送って来なかったのかな。