ドン・キホーテ - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

原題も'Don Quichote Gib niemals auf!'。毎度おなじみ、ドイツ製のTVムービーです。ジャケは中世ファンタジー風ですが…。

母親を事故で亡くし、父親とも離れて暮らす少年モリッツ。父が働くスペインで一週間過ごす事になったのだが、仕事人間の父は迎えに行くのも忘れる始末。一人空港を出たモリッツは、自分があのドン・キホーテだと信じ込む奇妙な老人と出逢う。ようやく迎えに来たものの、感情のもつれから父の家を飛び出したモリッツは老人と再会、亡き母への手紙を海へ流す為に二人で旅に出たのだが…。

そんな感じで、中身はジュブナイル向けのアドベンチャードラマでした。ファンタジー要素は“ドン・キホーテ”が見る妄想の中のみ(CGもかなりショボい)。でもそういう中身だと判っていれば、少年の成長や父子の絆を描いた小品として結構楽しめる出来だと思います。ちゃんと父親が自己反省して息子を取り戻す為に奔走するという流れなのも良いし。

それと本作の大きな美点として、主演のヨハン・ヒルマンくんの“女の子だったらいいのに…”と思ってしまうくらいの可愛らしいルックスが挙げられます。ドイツじゃアイドル子役なんじゃないのかなぁ。息子と父親を結ぶ役割りを担うスペイン美女役のおネエさんも結構魅力的。かなり唐突にびしょ濡れになったりするんですが、これはどう見ても大人向けのサービスショットでしょう(w。

これで老人のキャラの掘り下げまで出来てれば…と思って見てたら、最終盤でその辺もそれなりにちゃんと描いてたのには感心しました。

もう一つ感心したのは、父親の職業を風力発電の技師に設定した事で、現代とドン・キホーテの物語が上手く繋がってる点。

テリー・ギリアムがまた「ドン・キホーテ」の映画化にチャレンジするらしいけど、もうこれをベースにしたら良いんじゃないでしょうか。まぁそうすると「フィッシャー・キング」と似た話になっちゃうかも知れないけど、それはそれでアリだと思います。

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