優雅な世界 - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

ソン・ガンホ兄貴主演のヤクザ映画です。共演は韓国のイイ顔したオヤジ俳優の一人、オ・ダルス。監督は「恋愛の目的」のハン・ジェリム。何故か音楽を菅野よう子が担当してます。

女房からはアパートのボロさで嫌味を言われ、稼業も中々上手くいかない中年ヤクザ、イング。年頃になった娘からも完璧に嫌われてしまった彼に、ある日何者かが差し向けたヒットマンが襲い掛かる!

業界誌によれば“稼業と家庭の板ばさみに苦悩する”という「ザ・ソプラノズ」みたいな解説になってたんですが、見た感じ、不器用で時流に乗れない昔気質なヤクザが八方ふさがりになってのた打ち回るという、よくある展開の映画でした。

ただ、そこはガンホ兄貴主演作なので基本的にはコメディ調。特にオ・ダルスとのじゃれ合いは完全にボンクラ映画のノリでメチャ楽しかったです。

それでいて、主人公がにっちもさっちも行かなくなって迎えるクライマックスは、市街地での大カークラッシュシーン等、凄惨なバイオレンス描写満載の展開に。

まぁ、一連の北野武映画の影響下にあるとは思いますが、英題の'The Show Must Go On'の意味が良く判るラストまで、しっかり地に足が着いていてよく考えて作られた中々の作品でした。