レイクビュー・テラス 危険な隣人


※予告編
 原題も'Lakeview Terrace'。サミュエル・L・ジャクソンが隣人夫婦に襲い掛かる狂気の警官に扮したサスペンス篇です。サミュエルに立ち向かう夫婦を演じるのはパトリック・ウィルソンケリー・ワシントンの美男美女コンビ。「レック/ザ・クアランティン」のジェイ・フェルナンデス、「CSI:マイアミ」のエヴァ・ラルーも共演してます。監督は「ウィッカーマン」一本でそれまでのキャリアを棒に振りそうなニール・ラビュート。脚本は「マネートレイン」以降音沙汰の無かったデビッド・ローヘリーです。
LA郊外のレイクビュー・テラスの住宅街に引っ越してきた白人のクリスと黒人のリサの若い夫婦。ところが引越し早々、隣に住む警官エイベルとの間に些細なトラブルが。それは次第にエスカレートしていき、夫婦の間の溝まで広がって…。
パターンとしてはそんなに目新しくはないですが、普通なら襲う方の狂気が次第に…みたいな感じの所が、本作のサミュエル叔父貴の場合は最初から全開! 元々が男手一つで育ててきた子供たちにはハウスルールを強要する堅物なモンで、もう白人と黒人の夫婦と判った途端に“ナヌ!?”となって行動開始!
でも、そこはニール・ラビュートらしく単純なサイコスリラーにはなってないのは、舞台がロドニー・キング事件の発端になった場所という事からも察しがつくはず。サミュエルもワケの判らないモンスターとして描くんではなく、その警官ぶり(この歳でまだ制服組ってのは…という感じで)の描写もちゃんとあって人間として扱っている。
夫婦の方も、異人種間結婚の難しさや、結婚する際は逆「招かれざる客」状態だったんだろうと容易に推察出来るダンナと義父との関係まで短い中できちんと押さえてあったり。
そんな感じで人間ドラマとして見れば色々と興味深い点の多い作品でした。でもそれで娯楽映画としてスゴく面白く出来てるかというと、うーん、これは好み次第かなぁ。それに2008年の映画としてみると、ちょっと古いんじゃないかと思える部分も多い気がします(これはブッシュ時代のアメリカ映画だと思う)。まぁ一見の価値は十分にあると思いますが。