ロック・ミー・ハムレット!

ロック・ミー・ハムレット! [DVD]

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原題はその名も'Hamlet 2'!! 「トロピック・サンダー」での監督役も印象的なスティーヴ・クーガンが、何とあの『ハムレット』の続編を上演しようとする高校教師に扮した青春学園コメディです。共演はキャサリン・キーナーにデヴィッド・アークエット。監督は「セイブ・ザ・ワールド」「美少女探偵ナンシー・ドリュー」のアンドリュー・フレミングです。

役者として全く売れず、アリゾナの高校で演劇クラスを担当することになったダナ。ところが映画をパクってばかりの芝居は散々な評価で、生徒からの受けも最悪。更に教育予算削減のあおりを受けて今学期での終了を通告されてしまう。芝居こそが命と信じるダナは、愛するクラスを救う為にかねてから暖めていたあの『ハムレット』の続編となる戯曲を一気に書き上げる。そしてそのトンでもない内容は、ダナを馬鹿にしていた不良たちの心を掴み、練習もかつてない盛り上がりを見せ始めるのだった。ところが『ハムレット2』の“いかがわしい”内容に、校長や父兄だけでなく街の保守派まで怒り狂って…。

いきなりぶっちゃけると掴みが弱い作品でした。主役のクーガンは単体で見ればかなり面白いんだけど、そのキャラが映画全体の中では主人公の立ち位置同様に浮いた存在になってしまってる。そんな彼に、どうして急に生徒たちが着いていくのか、その変化の件も説明不足で説得力無し。

この辺は、つまんなくはないけど…レベルの作品ばかり撮ってる監督の技量不足のせいじゃないでしょうか。唐突に登場するエリザベス・シューの扱いもかなり勿体無い感じ。

ところが!! 残り三十分を切って始まるクライマックスの『ハムレット2』の出来が、それまでのダラけた展開を補って有り余る出来!! ミュージカル仕立てになっているんですが、言葉にするのは難しいのでその一部分をご自分の目で確認してみて下さい↓。

それと、教育への予算締め付けや表現の自由、信仰の在り方といった昨年までのブッシュ政権への批判がゴリゴリに入った作品ではあるんですが、リベラルべったりという感じでもなくて、人権活動家のバカっぷりもちゃんと描いているのは素晴らしい。この立ち居地、何かに似てるなと思ったら、脚本が「サウスパーク」のメインスタッフの一人であるパム・ブレイディでした(「ホット・ロッド」もこのヒトの脚本作)。うーん、でもこのストーリーを「サウスパーク」でやってたら、もっと面白かっただろうなぁという気も正直します。

そんな感じで一見の価値は十分ある作品。それにしてもEDテーマは何故↓だったんだ?