バトル・オブ・リガ

バトル・オブ・リガ [DVD]

バトル・オブ・リガ [DVD]

原題は'Rigas sargi'。1919年にラトビアの首都リガでの戦いを描いた戦争映画です。ラトビア本国での製作という事でスタッフ、キャスト共に日本では無名の人ばかり。

独立から一年を経過したものの、経済的に困窮し、混乱を極める小国ラトビアに独露統一軍が攻め込んで来る。敵軍は首都リガの川向こうにまで迫る中、民族の誇りを賭けて市民たちが次々に立ち上がる!

ラトビア人にとって重要な事件なのがすぐに伝わってくる、真摯な作りが印象的な作品でした。

まだ極端に派手な戦闘がおこなわれていなかった第一次世界大戦直後という時代背景や市街戦という舞台も、製作規模に上手くハマって良かったんじゃないでしょうか。これが第二次大戦以降の話ならもっと派手じゃなきゃショッパく見えたかも知れませんが、本作の場合土と埃と煙に塗れながら戦う市民の姿が何ともリアルなんですよね。イイ顔したオジさん、オバさんも多数登場。

でも主役の男女にはもう少しハナのある役者はいなかったのかなぁ。主人公の男優がオッサンくさいのはロシア圏映画特有ですが、ヒロインの方まで今回は微妙。ロシアや他の東欧諸国を探せばいくらでもいそうなモンですが、このテーマを扱う限りはラトビア人限定というのは譲れなかったんだろうなぁ。

極端に面白いとは言えないけど、娯楽映画としてもそれなりの基準は満たしている作品だと思います。第一次大戦前後の欧州史に興味があるヒトなら必見かな。