天使VS悪魔

天使VS悪魔 [DVD]

「天使と悪魔」公開記念で、こんな便乗作品が出るゾ!! 原題は'El Ultimo justo'。スペイン・メキシコ合作によるスリラー映画です。監督と主演のアンちゃんはよく知りませんが、ヒロインを演じるが「ワン・ミス・コール」にも出演していたメキシコ人女優、アナ・クラウディア・タランコンでした。

戦場カメラマンのテオが泊まっていたホテルの部屋に突然見知らぬ男二人が銃を持って乱入! 二人は相討ちしたものの、テオの恋人も巻き添えを食って死んでしまう。そして謎の老神父から警告を受けたテオは、自分と同じ日、同じ場所で産まれた者たちが次々に死んでいる事を知るのだった。偶然知り合った美女ミリアムと共に自分を出自を調べ始めたテオだったが…。

全人類の中にいるという“三十六人の正しき人々”の伝説を信じ、彼ら全員を抹殺しようとする悪魔団と、三十六人を守ろうとする天使団。この二大カルト教団の数百年にも及ぶ攻防の標的にされた主人公の戦いを描くという、何とタイトルに偽り無しのサスペンスアクションで正直ビックリ。

ところがですねぇ、肝心の出来の方が…。カルト教団の描写、謎の解き明かし方、謎の美女の正体、主人公を追う警察。これら全てが、オカルト的におどろおどろしいワケでも現実的にシリアスなテイストでもない、何とも中途半端な描き方なんですよ。その割りには、これまた中途半端に気取った演出とかあったりして余計にイラッとさせる。要するに監督にセンスが無いんじゃないでしょうか。

それと、スペイン製スリラーのお楽しみの一つであるラテン美女のお色気サービスがほとんど無いのも原点材料だなぁ。

普段はスペイン映画は甘めに評価してしまう自分でも凡作だと感じてしまう、こんなバッタモン扱いされるのも当然の内容だと思います。