アライブ

アライブ [DVD]
4/3レンタルリリース SIMカンパニー

原題は'While She Was Not'。キム・ベイシンガー主演の独・加・米合作によるサバイバルスリラーです。製作総指揮にはギレルモ・デル・トロの名も! 共演はルーカス・ハースとクレイグ・シェイファー。

夫との口論に嫌気が差し、憂さ晴らしにとクリスマスセールでごった返すショッピングモールへ向った平凡な主婦デラ。だが、つまらない事からチンピラたちに絡まれ、仲裁に入った職員は彼らに射殺されてしまう。必死に逃げるデラだったが、とうとう森の中に追い詰められて…。

夫婦喧嘩に始まって、ホントにつまらない因縁のつけられ方と、序盤のリアルさはかなりのモノ。あぁこんな事ありそうだなぁと、誰もが共感出来る作りです。

でも、序盤のリアルさと役者の力で何とか最後までギリギリ緊張感が保たれてはいますが、ストーリー的には余り面白味の無い作りでガッカリしてしまいました。

特にと言うか、これが全てだと思いますが、とにかくヒロインを追いかけるチンピラたちが弱過ぎ! いくらキム・ベイシンガーとは言え、森の中の悪路なのに彼女に追いつけそうな気配すら無いんだもの。お話的にはヒロインが逆襲に転じてチンピラたちを次々に倒してゆくという展開なんですが、その前段階としての追い詰められてる感が希薄だから、ほとんどカタルシスを感じない。

それに“退屈な日常から非日常に放り込まれる事で生きている実感を取り戻す”という、おそらく監督が描きたかったはずのテーマも、悪役の弱さのせいで説得力が無いんですよねぇ。

更に言えば、コイツらが弱いせいでベイシンガーにはエロい見せ場もほとんど無し! これは、ひょっとしたら監督が女性だからなのかなぁ。逆に、逃走中だというのに木陰での放尿シーンを入れてるのは、女性ならではのリアル志向?

というワケで、これだけの面子が揃いながら、劇場公開はおろか、大手メーカーに買われなかったのも納得の凡作でした。

アライブ [DVD]

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