その男は、静かな隣人
3/4レンタルリリース アットエンタテインメント
原題は'He Was a Quiet Man'。新年一発目にふさわしく、主演がクリスチャン・スレーターにエリシャ・カスバート、共演にウィリアム・H・メイシー。監督は、Vシネマ(正確にはVアメリカ)の「ヤクザVSマフィア」や「NO WAY BACK 逃走遊戯」を撮り、最近だと「コンスタンティン」の脚本を手がけたフランク・カペロという異色サスペンスです。つまりは、以前松江監督のトコで話題になった作品がいよいよ日本上陸! というワケ。
現代社会からのプレッシャーで、そのストレスが爆発寸前にまで思いつめた冴えない中年サラリーマンのボブ。年下の上司からの理不尽な要求をきっかけに、とうとうオフィスで拳銃を手にしたボブだったが、彼より先に別の同僚が銃の乱射を始めてしまう。仲間がいた! と喜んだのも束の間、自身の命も狙われ、ボブは相手を射殺。そしてそれをきっかけに、一躍ヒーロー扱いされ、会社でも副社長に抜擢されたボブは…。
生え際が年々後退し、何とも寂しいコトになっていた最近のスレーター。しかし遂にそのルックスに相応しい作品にめぐり合った!
そして作品自体も結構イイぞ。ストレスから現実と妄想の境界があやふやになってる主人公の姿は、まんま「マトリックス」。でも現実から逃げ出して、あっちの世界でヒーローになるというネオに対し、本作の主人公はちょっと違う。
以前から憧れていて、事件で被弾し全身麻痺になってしまった会社一の美女と色々あって急接近。彼女と触れ合ううちに、淋しいのはお前だけじゃない、今の世の中みんな孤独なんだという事に気づいて…という流れに。そう、ジャケや予告編を見た時点では、サイコスリラーか「フォーリング・ダウン」みたいなブチ切れアクションか、それともシニカルなコメディかと思われる本作。実は意外にもラブストーリーだったのです。
いつもは飛んだり跳ねたり、ギャーギャーうるさい印象ですが、静かにしてればやっぱりカワイイじゃん! って感じで、エリシャ・カスバートの魅力にもあらためて気づかせてくれる。
お金はそんなに掛かってないと思いますが、映像的にも面白い演出が多々あって、最近のスレーター映画の中では出色の作品だと思います。
【以下、ネタバレ】
と、ここまでで十分“出来てる”映画だと思うんですが、終盤ここからもう一捻り、と言うか元に戻しちゃって、やっぱり現実か? 妄想か? みたいな話になるのはどうなのかなぁ。個人的な好みから言えば、ある程度の苦味のあるハッピーエンドで〆ても良かった気がします。それでも見るべきところの多い作品なのは確かですけど。
- 出版社/メーカー: アットエンタテインメント
- 発売日: 2009/04/03
- メディア: DVD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2004/09/21
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2004/10/21
- メディア: DVD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 出版社/メーカー: ギャガ・コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: DVD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る