クライシス

12/26リリース ミッドシップ

原題は'Right at Your Door'。「ファイト・クラブ」や「バーバー」の美術監督を務めたクリス・ゴラックの初監督作となるパニックドラマです。主演は「CSI:マイアミ」「スキャナー・ダークリー」のロリー・コクレーン。

ある朝突然同時多発テロに襲われたロサンゼルス。中心部で次々に爆発が起こり、街には白い灰が降り注ぐ。既に出勤していた妻を捜す為に車で飛び出たブラッドだったが、街は大混乱に陥っていた。慌てて家に戻り、妻の帰りを待つものの時間だけが過ぎていく。覚悟を決め、政府の指示通りに入り口を塞いだブラッドだったが、そんな中妻が咳き込みながら帰宅して…。

凡百のB級パニック映画が風呂敷を広げ過ぎたせいでドラマも緊張感も薄れさせてしまってるのに対し、一枚の壁、一枚のビニールシートだけで運命が分かれてしまった夫婦の話だけに絞ったのが本作の上手い所。パニック描写も最低限に止めていて、そこに金を集中させたのか、悪くない映像になってるのも良い*1。

ただこれも、極限状態に追い込まれた人間が発する“何か”を描き出す域にまでは達してない。まぁそこまで出来てたら、もっと評判を呼んでるんだろうけど。

とは言え、終盤の展開はちょっと面白いし、そこそこには楽しめる作品だとは思います。

クライシス [DVD]

*1:撮影監督のトム・リッチモンドは本作でサンダンス映画祭撮影賞を受賞。